舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

性格別・フラの欠点克服法

2014-06-04 04:54:30 | ダンス話&スタジオM
人間の性格には誰しも欠点があるのと同じように、フラにも人それぞれ苦手な部分があります。
長年の独自研究(?)の結果、性格とフラの欠点にはどうやら関係性がありそうだと思うようになりました。
つまり「自分はこういう性格だ」というのを自覚すれば、そこから自分のフラの問題点も見つける事が出来て、克服しさらに上達する手がかりになるのではないかと考えているのです。
本日はその持論について、フラで問題になりやすい性格別に解説して参ります。


(1) ガサツである。

やはり最初は自分自身を槍玉にあげておくべきでしょう。
私はガサツです。かつて自分ほどガサツな人間に会った事が無い。恐怖の大王レベルにガサツです。


これだけガサツな人間ですと、今までの人生で大切なものを壊したり、アホな不注意で怪我したりした経験はもはや数えきれません。
そして、そのガサツさは容赦なくフラにも如実に現れます。

恥を忍んで告白しましょう。私は20世紀末までたいへんガサツな踊り方をしておりました。
母にもしょっちゅう「アンタの踊り方はガサツだ。もっと丁寧にやれ」とどやされておりましたが、ガサツな人間からすると「どこがどうガサツなのか」「どうすればガサツじゃなくなるのか」というのがサッパリ分らないのです。
ビデオなどで自分の踊りを見ればヘタクソだとは思いますが、なぜヘタクソなのか想像もつきませんでした。

しかし、高校後半辺りから私は「もっと丁寧に踊らねばならない」という事に目覚め始め、同時に自分の踊りが今まで如何にガサツだったかも気づきました。
きっかけは何だったんだろう。まあその頃からレッスン時に前に立って見本のような事をやるようになったのは大きかったかもしれません。見本として恥ずかしい代物をお見せするわけには行きませんからね。

また、私の高校はやたら放課後補修なるモノがあり、全員強制参加させられてどこかの塾だか予備校だかの先生の授業ビデオを長時間にわたって見させられたんですが、そのテキストが随分ご親切に余白部分の多い冊子だったものですから、暇だった私はひたすらその余白にダンサーの絵を描き続けてました。
そうすると、最初は只の「ダンサーコスプレして突っ立ってる人」だったイラストが、徐々に「今まさに踊っている感じ」を出せるようになっていくんですね。
二次元のダンサーに命を吹き込み、本当に踊っているように表現する為に、私は「こういう振付のとき自分はどういう状態になっているか」を深く考えるようになりました。
その結果、今までより随分踊りのカタチについて客観的に捉えられるようになったものです。
なんだ、今まで時間のムダと思っていた強制補習、結構役立ってたじゃん(間接的にだけど)。

回想を挟み過ぎて話が長くなってしまいました。
ともあれ、それらの過程を経て踊りを客観的に捉えられるようになったとき、自らの踊りを顧みて、「やべぇ、私の踊り超ガサツじゃん」と自覚するに至りました。




それ以来あたくしはこのように常に「丁寧に!丁寧に!!」とマントラよろしく唱えながら踊っております。31歳になった今もですよ。
尤も、現在では自分の踊りにおけるその他の欠点についても色々自覚しておりますので、マントラはもっと長いですけどね。

そんなわけで、普段の性格がガサツだからといって、美しく踊る事を諦める必要はありません。
残念ながら性格上のガサツは直せませんが、踊りの上でのガサツさは自覚する事でいくらでも改善出来ます。
そんじょそこらの人の想像を絶するほどガサツな私が言うんだから間違いないです(笑)。



(2) セッカチである。



日本人フラ・ダンサーに一番多いのはこれじゃないでしょうか。
そもそも、ガサツなのと違ってセッカチな事は(とりわけ日本や一部の東アジア諸国において)必ずしも欠点ではありません。場面によっては美徳ですら有り得ます。
しかしながら、ハワイには「ハワイアンタイム」という有名な言葉がある通り、ゆったりのんびりとしている方が似合います。
そんな文化というか雰囲気の中で生まれた踊りだけあって、フラにもこのハワイアンタイムが骨の髄まで染み付いているのです。

なのに日本人はとにかく早まりたがる。カウントの「1」を数える頃には既に踊りが始まっていたりします。
歌や演奏もそうなりがちです。
だからまあ、確かに日本人ダンサーと日本人ミュージシャンが共演すればタイミング的にはしっくり来るんですけれども(笑)、ハワイの踊り・ハワイの音楽なんですから、ここはひとつハワイのタイミングになりましょうぞ。

ハッキリ言って、ハワイらしいフラであるか否かを分ける要素のうち、このタイミングこそが重要部分の殆どを占めると言っても過言ではありません。
むやみに遅らせたってダメなんですね。ハワイの優れた踊り手がもつ「間」、これこそが鍵を握っているのです。

この「間」をマスターするためにはかなり見る目を磨いてひたすら精進する必要がありますが、少なくともセッカチな人が早まらないようにする事でしたらそれより遥かに容易ですし、これだけでもずいぶんとハワイらしいフラに近づきます。
自分はセッカチだという自覚がある方は、フラを踊っている間だけ自分のセッカチな部分を部屋の外に閉め出し、体内時計をハワイアンタイムにシフトするように心がけることをおすすめします。



(3) 他人の顔色をうかがってしまう。

私のようにゴーイングマイウェイで生きている人間には信じられない事ですが(だからガサツなんだよ)、世の中には周りの人にどう思われているか不安で仕方ないという人がけっこう存在します。
学校のクラブ活動を選ぶ際に友達と一緒でなければ入れないとか、そもそも校内を一人で歩けないとか、そういう症状が顕著です。

私の生徒さんではありませんが、昔まさにそういう人がいました。
彼女は発言力の強い人がリーダーになっている友達グループに入っており、仲間に囲まれている間は実に強気で積極的に喋りますし態度も大きい。
しかし、そんな彼女のフラを観たら、踊っている間の彼女は何だかやたらにオドオドしていて、びくびくと左右を見渡してばかり。振りを全く覚えていないわけでもなさそうなのに、隣の人を見なければ一挙手一投足もままならないという踊り方でした。
それを見て気づいたのです。ああ、彼女があんなに強気だったのは仲間に囲まれていたからであり、彼女個人はもっと自信がなく臆病で、一人ではいられないタイプなんだなと。

もちろん、それも性格であり個性ですから、それ自体は何の問題も無い事です。欠点って訳じゃありませんので、この性格を変えようとする必要も無い。
でもダンサーとして見ると、その性格がモロに出ている踊り方は決して美しくありません。
とりわけフラは「胸にプライドをいだいて踊る踊り」です。プライドとは他者への依存によって得られるものではなく、自分の内面から溢れ出るものであるべきです。

ですから、「自分はつい友達や他人の評価を気にしてしまう」という自覚があるならば、フラを踊っている間はそんな自分の殻を脱ぎ捨てて、自分自身にプライドを持って踊るようにしましょう。
あなたの上手い下手はともかく、一生懸命練習に打ち込んできた事や、その結果今まさにステージに立っている事は「他ならぬ自分が成して来たこと」であり、誇りに思っていいのです。



(4) 自信が無い、あるいは何らかのコンプレックスがある

3と似て非なるものです。
たとえば、高い身長にコンプレックスを持っている人。背が高いなんて私みたいなチビデヴからしたらただただ羨ましい話なのに、本人にとっては悩みの種である場合が時々あります。

そういうコンプレックスを抱えた人の場合、フラに起きる症状としては「猫背になる」「動きがのびのびとしていない」等があげられます。
3の人は周りをきょろきょろしつつオドオドしているんだけど、他者との関係が大きなウェイトを占める3と違い、4の人の問題は本人の内面にあるため、こういう事が起きるんですね。

これも解決策はプライドにあります。
前述の高身長コンプレックスなど自分の体型に自信が無い人。フラはそういう人にこそお勧めしたい踊りなのですぞ。
どんな体型・容貌・年齢の人であっても、美しく踊れる人が「美しいダンサー」と見なされるのがフラなのです。
フラ・ダンサーを指して「あいつはブスだ」「オバサンだ」などと勝手な事をほざく輩はしょせんフラを見る目をもたない残念な輩。せいぜい哀れんで捨て置けば良いのです。
真摯に自分のフラを磨いていれば、然るべき目を持った人には、外見に左右される事なく必ずその人のフラの魅力が分ります。



(5) 力み過ぎている。



「人生全力投球!」と言えば聞こえは良いですけれども(笑)、何事も力の入りすぎる人がいらっしゃいます。
コレ自体も悪い事ではありませんが、やはりハワイのゆる~いリズムから考えるとちょっと違うモノになってしまいますね。

たとえばあるフラのイベントで、どこかのお教室の先生だかインストラクターだかの方々が観ていて痛々しいほどガッチガチにリキんでおり、踊りの途中の半端な音の部分(マキーアイラナの中間に入るようなのと言えば通じるでしょうか。まあじっさいの曲名は伏せさせて下さいw)が入る度に「気をつけィッ!!!」とばかりに直立不動の体制を取るのを見た事があります(笑)。
チンキーさんのカヒコで踊りの最中に敢えて片足立ちなどのポーズでピタッと止めるドS振付とは異なり、アウアナを自然にリラックスした状態で踊っていれば、少なくとも歌詞やリズムの空白部分とはいえ気をつけの姿勢で「だるまさんがころんだ」にはならないはずです。空気の流れを止める事なく、次の動作へと繋がっていったはず。
なのに突然不自然な停止状態が入ってしまったのは、やはり力が入り過ぎていた為でしょう。

同様に、踊りに力が入っているとアウアナにおいては動きがカタくなり、優雅なハワイらしい踊り方からはほど遠くなります。
カヒコなら力が入っていても大丈夫と思われがちですが(むしろ力を入れた方が迫力を出せると思っている人さえいるようです)、実は無駄な力が入っていると却って動きのキレが悪くなるんですね。
キレの鋭いダンスのネ申であるマイケル・ジャクソンの踊りだって、力を抜くべき時は徹底的に抜いているからこそ、ピタッと決めた時にキレが生まれるのです。
この辺りは是非ロパカお姉様がお兄様モードで踊っていらっしゃるカヒコをご覧いただくと意味が伝わるかと思います。

リキみやすい性格の方は、踊る前に十分に肩の力を抜き、リラックスして本番に臨まれる事をお勧めします。
リキんでいるフラはたんに下手というだけでなく「イタい」という印象も与えかねないので、特に注意が必要です。



(6) 過剰に異性を意識している。

まあ同性でも、要するに恋愛対象の性別の人に対してやたら自意識過剰の人です。
たとえば異性愛者の女性の場合、男性の前では喋り方が1オクターブ上がったり、髪型やメイク、服装の判断基準が男性ウケに特化されていたりする人を指します。
そういう人はとかくヒワイアンダンスになりやすい(笑)。
これも実例を目撃した事があります。「こんな衣装を着たら男の人に○○と言われちゃう」なんて事ばかり言っている人の踊りがまさにヒワイアンダンスを絵に描いたような代物でした(ウチの生徒さんじゃないですよ)。
もう、わざとスカートの中が見えるように持ち上げてフリをしたり、いくら色っぽい歌詞とはいえ過剰にシナを作ったり、観てて悪い熱が出そうなヒワイアンダンスでした。
こういったものは同性から痛々しく見られる上、あんがい期待したほどの男ウケ効果も無いので、やめておいた方が賢明です。


じゃあ過剰に異性を意識している人はどうすべきか。
今はめくるめく欲求をおくびにも出さず、ただひたすらフラの技術の向上に努めて下さい。
そして80~90代になったあかつきに、どエロいフラを踊って観客にヤンヤの喝采を起させましょう。
どエロいフラにはたいへんな技術が必要です。しかしエロは立派な原動力になりますので、「この技術を身につけさえすれば堂々とエロ方面に走れる!」と自分を鼓舞すればきっと素敵なクプナになれますわよ。



以上、性格別に解説してみましたがいかがでしたでしょうか~。
「こういう性格はどうなの?」というのがありましたらご提案くださいね。


あ、オマケとして踊りそれ自体とはまた別の「性格が本番中に出ちゃった例」をご紹介しておきます。



これまたウチではないどこかのお教室のステージを見ていたさい、ダンサーのお一人が間違えたか忘れたかしてしまい、「アッ間違えちゃった」と声に出してしまったんですね。
その瞬間に隣のダンサーが彼女に投げて寄越した、今にも射殺しそうな目線!!!
昼ドラヒロインの敵役(姑だったり恋のライバルだったり)でさえここまで怖い目つきで睨んできたりしません。
あまりの恐ろしさにすくみ上がりましたよ。

まあ間違いを顔や声に出すのもなるべくしない方が良いですが(笑)、何をした人であっても舞台上で睨みつけるのはいただけないですね。
その後いくら笑顔で踊られても逆に恐怖が増幅するばかりです。
普段職場や家庭で鬼軍曹と呼ばれている人であっても、舞台での笑顔は絶やさないようにしましょう。何があろうと。





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