手術から一昼夜が明け、傷口の痛みはほとんど無くなっている。
朝のうちに主治医の先生が来て、血腫の残りの排出具合を見る。
看護師に注射器をもってこらせ、チューブから強制的に血腫の液体を抜くのだ。
少し痛いかもしれないと言われたときには既に吸入されていて、
キーンと言う感じ、痛くはないが締め付けられる感じがする。
これを左右両方して、「じゃあ午後にチューブを外して傷を止めましょう」
と言って先生は外来診察に出られた。
昼までは安泰か、と言う思いと同時に、昼まで痛みは持ち越しかという待ちの苦しみもあるのだ。
今日からは普通食の食事も出るのだが、とても食欲はなく、
45度まで起きていいというものの、45度の傾斜では姿勢的にも食べる姿勢にならない。
ぼんやりとベッドで過ごすうちに最初の日のことを思い出した。
初日に血液凝固の関係で、手術を見送ったが、入院して経過を見ることになり、
4人部屋の窓側のベッドに収容された。
隣のベッドはまだ40歳前後の男で、病状はよく分からない。
この男が鼾かきなのだ。昼寝も夜も寝ている間中鼾をかいている。
時々、無呼吸症候群があるのか、10~15秒鼾が止まるのだが、その後はいっそう激しい鼾になる。
頭の痛みや不快感に加えて、夜中中の鼾で、初日はほとんど睡眠できなかった。
翌朝、看護師にあまり眠れなかったなどとノタマワっている。
おまえ!ぶん殴ってやろうか。
細君に電話して、早々に個室に変えてもらった。
そのときに思いついた短歌が以下。
お隣の 鼾うるさく 眠られぬ 無呼吸症候 続けと祈る
いささかブラックではありますが、正直な気持ちでもあります。
閑話休題
午後になって看護師2人従えて再度先生の登場である。
いよいよチューブを外すのだが、最後にもう一度注射器で残りの液体を吸い上げて、
「消毒液とステプラー」と看護師に指令を出し、
強烈な痛みで左を2本、恐怖に震える私をものともせず、右を2本のホチキス針で頭皮の傷を止められた。
その間、脂汗を流す私を看護師が優しく押さえてくれて、ああ天使だあと思ったものだ。
「痛かったですねぇ。よく頑張りましたねぇ。」と腕をさすってくれ、
これが天使でなくてどうする。
まともあれ、瞬間的な痛みはあったものの、続くのはそれほどの痛みではない。
1時間ほどして、天使が部屋に来て、「シャワーしますか?」という。
先生が「洗髪してもいい」とはいっていたが、さわれば傷は痛む。
どうしようかと迷ったものの、髪の毛は、手術の際の消毒液と出血で悲惨な状態である。
さらに、細君と天使の看護師さんとを天秤にかければ、
絶対天使の方がこういう状況になれているはずで、間違いなかろうと判断し、
「お願いしますと」返事をした。
もちろん、下心などあるはずもない。
風呂場で衣服を脱ぐのに照れはあるけど、そこは病人、恥ずかしさは捨てる。
髪を優しく洗ってもらい、体も背中を洗ってもらい、さすがにほかのところは自分で洗い、
約1週間ぶりの風呂はシャワーだったが、生き返る思いで病室に帰る。
これからは起き上がっても大丈夫という生活が始まる。
ただ点滴とバイタルチェックの機器に拘束されて、まだ歩くことは叶わない。
術後36時間経過した状況である。日に日に回復の予感。
朝のうちに主治医の先生が来て、血腫の残りの排出具合を見る。
看護師に注射器をもってこらせ、チューブから強制的に血腫の液体を抜くのだ。
少し痛いかもしれないと言われたときには既に吸入されていて、
キーンと言う感じ、痛くはないが締め付けられる感じがする。
これを左右両方して、「じゃあ午後にチューブを外して傷を止めましょう」
と言って先生は外来診察に出られた。
昼までは安泰か、と言う思いと同時に、昼まで痛みは持ち越しかという待ちの苦しみもあるのだ。
今日からは普通食の食事も出るのだが、とても食欲はなく、
45度まで起きていいというものの、45度の傾斜では姿勢的にも食べる姿勢にならない。
ぼんやりとベッドで過ごすうちに最初の日のことを思い出した。
初日に血液凝固の関係で、手術を見送ったが、入院して経過を見ることになり、
4人部屋の窓側のベッドに収容された。
隣のベッドはまだ40歳前後の男で、病状はよく分からない。
この男が鼾かきなのだ。昼寝も夜も寝ている間中鼾をかいている。
時々、無呼吸症候群があるのか、10~15秒鼾が止まるのだが、その後はいっそう激しい鼾になる。
頭の痛みや不快感に加えて、夜中中の鼾で、初日はほとんど睡眠できなかった。
翌朝、看護師にあまり眠れなかったなどとノタマワっている。
おまえ!ぶん殴ってやろうか。
細君に電話して、早々に個室に変えてもらった。
そのときに思いついた短歌が以下。
お隣の 鼾うるさく 眠られぬ 無呼吸症候 続けと祈る
いささかブラックではありますが、正直な気持ちでもあります。
閑話休題
午後になって看護師2人従えて再度先生の登場である。
いよいよチューブを外すのだが、最後にもう一度注射器で残りの液体を吸い上げて、
「消毒液とステプラー」と看護師に指令を出し、
強烈な痛みで左を2本、恐怖に震える私をものともせず、右を2本のホチキス針で頭皮の傷を止められた。
その間、脂汗を流す私を看護師が優しく押さえてくれて、ああ天使だあと思ったものだ。
「痛かったですねぇ。よく頑張りましたねぇ。」と腕をさすってくれ、
これが天使でなくてどうする。
まともあれ、瞬間的な痛みはあったものの、続くのはそれほどの痛みではない。
1時間ほどして、天使が部屋に来て、「シャワーしますか?」という。
先生が「洗髪してもいい」とはいっていたが、さわれば傷は痛む。
どうしようかと迷ったものの、髪の毛は、手術の際の消毒液と出血で悲惨な状態である。
さらに、細君と天使の看護師さんとを天秤にかければ、
絶対天使の方がこういう状況になれているはずで、間違いなかろうと判断し、
「お願いしますと」返事をした。
もちろん、下心などあるはずもない。
風呂場で衣服を脱ぐのに照れはあるけど、そこは病人、恥ずかしさは捨てる。
髪を優しく洗ってもらい、体も背中を洗ってもらい、さすがにほかのところは自分で洗い、
約1週間ぶりの風呂はシャワーだったが、生き返る思いで病室に帰る。
これからは起き上がっても大丈夫という生活が始まる。
ただ点滴とバイタルチェックの機器に拘束されて、まだ歩くことは叶わない。
術後36時間経過した状況である。日に日に回復の予感。