2007年7月8日(日)
#5 フィリップ・ウォーカー「Happy Man Blues」(Going Back Home/Delta Groove Productions)
#5 フィリップ・ウォーカー「Happy Man Blues」(Going Back Home/Delta Groove Productions)

1937年生まれ、今年70才のベテラン、フィリップ・ウォーカーの最新作(2007)である。
フィリップ・ウォーカーというと、コアなファンでもない限り、知っている人は少ないだろうが、実に経歴豊富なミュージシャンなのだ。
ルイジアナ州ウェルシュに生まれ、50年代はN.O.でクリフトン・シェニエのバンドに参加。その後、ロサンゼルスへ拠点を移す。ヒュー・ヘフナーのPLAYBOYレーベルにて初ソロアルバムを録音。79年に初来日を果たし、ピットインでのライブはCD化されている。
その後も、ときには何年かインターバルを取りつつも、地道にアルバムを発表し続けている、超ベテラン。
ルイジアナ出身ながら、そのプレイはかなりテキサス系のブルースマンに影響を受けているようだ。たとえばライトニン・ホプキンス、ロング・ジョー・ハンター、ゲイトマウス・ブラウン。
決して斬新なスタイルではないが、ツボをおさえた歌とギターには、なかなか通好みのものがある。
さて、今日お聴きいただくのは、パーシー・メイフィールドのナンバー、「Happy Man Blues」。
ピアノ、サックスをフィーチャーしたジャズィなサウンドをバックに、ゆったりと歌うウォーカー。
うんと上手いわけではないけど、彼の塩辛い声ってとっても「ブルース」を感じさせるのである。適度にレイジーで、リラックスしていて。
間奏のギター・プレイも、力まず、よく歌っている。なんていうか、彼のエッセンスをちょっとだけ披露してみたという感じで、さりげない味わいがある。
筆者も70才になったら、こういうふうに淡々と、飄々とブルースを奏でるチャンジーになりたいものであります。