NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音曲日誌「一日一曲」#26 ジョン・プライマー「Knocking At Your Door」(Knocking At Your Door/Telarc)

2023-04-27 05:00:00 | Weblog
2008年3月9日(日)

#26 ジョン・プライマー「Knocking At Your Door」(Knocking At Your Door/Telarc)





45年生まれ、おん年63才のジョン・プライマー、初登場である。

マディ・ウォーターズやマジック・スリムのバックバンドにいたころは、「そういやぁそんなヤツ、いたかなぁ?」程度の、存在感の薄~いひとだったが、90年代に40代後半でソロ・デビューしてからは、次第に頭角をあらわしてきた。

で、テラーク・レーベル移籍第一弾、この「Knocking At Your Door」なるアルバムで、ついに本領発揮したといっていいだろう。プライマー、54才の作品だ。

タイトル・チューン「Knocking At Your Door」は、まさにプライマーの魅力のショーケース的一曲。

ストレートでストロングな歌声。繊細さにはちと欠けるかも知れんが、とにかく力強いのひと言。

バックをつとめるマックレイ兄弟のギター&ドラム、そしてマシュー・スコーラーのダウンホームな味わいのハープもまた強力な援軍だ。エディ・テイラー・マナーとでもいうべき、ホンマに見事なリズム・ワークなり。

同時代ブルースの中では、けっして「いま風」な音ではないが、筆者はこういうのを聴くとホッとする。白人ブルースマンに多い、みょうにロック色の濃い演奏より、絶対こっちのほうが好きだな。

なにより、歌に「キャリア」が感じられるんよ。このひとの歌は、もともとはうまくないけど、長年のキャリアの中から、なにかをつかみ取ってきた。それが50代なかばで、ようやく開花したのだろう。

そう、歳月を経ることによって「熟成」するブルースもあるのだ。

大器晩成型ブルースマン、ジョン・プライマーが50代にしてたどり着いたブルースの境地。ぜひ味わってほしい。深いぜ。

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