明治の初期にいろんな教派の宣教師が来ましたが、その中にインブリーと言う方がいました。
彼が来日した頃は、横浜と築地(東京)の長老教会と改革派の教会にいろんな混乱が許されていましたが、ヘボンやバラたちだけでは、どうにもならない時このインブリーが、教会の一致をなしたのです。
問題を起こしていたのは、カロザース(カラゾルス)という宣教師でした。
この方は、本当にトラブルメーカーでした。
教え子や洗礼を受けた方々から、「きわめて野卑なかつ無骨な人物で、面相は猿に似ているのでモンキイと言っていた。強情で人を許せない性格だった。」とまで、言われています。当時、日本人は、イエスのことを「ヤソ」と言っていましたが、宣教師たちは、本来の発音に近づけて「イエス」と呼ぶことに一致しましたが、カロザースだけは、「ヤソ」を主張しました。
それが聞き入れられないので、辞任を表明したのです。
また、奥さんとトラブルのあった女性宣教師に対する嫌がらせを続け、金銭的にも問題があったので、ヘボンは、本部にカロザースの辞任を受け入れるようにと手紙を出しました。その後、インブリーは、カロザースがいた宣教館に住み、日本基督一致教会を成立させ、東京一致神学校も設立させたのです。
この神学校は、明治学院の源流になりました。ヘボンは「来日して、2年足らずで、教会の一致をなしたインブリーが来るまでは、我々の言うことは本部に通らなかったが、君が来てからは何でも通るようになった。」と言っています。
同じ宣教師でも、本当に対照的ですね。
カロザースの写真は、10年前は、一般には手に入らなかったので、本の中で紹介されていた大学の先生に事情を話してコピーを送ってもらいましたが、今は、いろんな関係本に載っています。
昨夜は、びっくりしました。
今連載している「ブリストルの風」の原稿をすぐに単行本にできるように手直しをしていたのですが、どうしても3枚足らないのです。
どこを探してもありません。
もしかしたら、コピーを取った時、お店に忘れてきたのだろうかと不安になりました。
コピーを取ったのは、数ヵ月前なので、無くなってしまったのではないかと、感謝しながら考えていました。
手直ししたコピーはあるので、それを見ながら祈っていると、はたと思いだしたのです。
教会のスキャナーで取った時の画質を調べるために、関係者に貸したのです。本当に物忘れがひどいですね。
どうしても見つからない時は、描き直さなければならないと思いましたが、同じ物はできないのです。
やはり描き直した物より、最初に描いた物の方が迫力があるのです。
不思議トそうなのです。
それから、その後、もうひとつ嬉しいことがありました。お気入りのブローチがあったのですが、今年になってから行方不明になっていました。
どこかの洋服についているのかと思いましたが、どこにもありません。
落としたのかと思い警察も届けました。高い物ではありませんが、デザインが好きなのです。
昨夜、机の上の箱をいろいろ片付けていたら、なんとそこから出てきたのです。
本当に感謝して喜びました。
失くした物が見つかるのは、嬉しいものです。