演劇集団キャラメルボックスの新作「まつさをな」福岡公演を観た。
前作「少年ラヂオ」公演を希望日が合わず見逃しただけに、待望の舞
台である。しかも友人に紹介してもらい、公演直前の最終舞台リハー
サルを見せてもらったのだから、その興奮度たるや大変なもの!(笑)
結論から言えば、とにかく舞台は面白かった。キャラメルボックス
の舞台はスカパー!の「シアターテレビジョン」で過去の作品が毎月
放映されているので、小学6年の娘と録画して良く観ているのだが、
「これは本舞台を観たかった、観てみたい」と思わせてくれる作品が
とにかく多い。前作の「少年ラヂオ」に至っては、11月の福岡公演
が観られずに落胆していたところ、年末に放送があって年の瀬正月は
それを繰り返し観て愉しんだ。
製作総指揮の加藤昌史さんがコメントしているように、キャラメル
では女優が主演の舞台は前売りチケットがあまり売れない、というジ
ンクスがあるようで、今作の福岡公演も前作があっという間の完売だ
ったのに比べまだ席が余っているそうだ。今作も興味はあったが、実
は私もチラシと題名を観て「どうしょうか?今回はやめておこうか」
とチケットを買っていなかったクチであった。
理由は前作「少年ラヂオ」チラシを観た時に比べて違和感?があっ
た「まつさをな」のチラシと公演名。幕末が舞台でありながら、とに
かく「真っ青」な空の下で明るく笑う主演の温井摩耶と岡田達也の写
真の爽やかさに「あまりにも爽やかすぎて近寄れない」という印象を
持ってしまったのだ。
しかし、運良く最終リハーサルを拝見し、しかも公演後に加藤さん
の爆笑トーク(シアターテレビジョンではお馴染み!)による秘話や
裏話、キャストの紹介、そしてこの作品のテーマを詳細に解説しても
らって、「ああ、この舞台は見逃したら後でTVで観て後悔していた
な」と改めて思ったのだった。
今作の舞台は幕末の小田原藩。脚本の成井さんの解説にもあるが、
キャラメルボックスの時代劇は「常に」幕末を舞台にしている。「幕
末劇」という言葉を成井さんは使っているが、この言葉には哀愁や悲
哀のイメージがあるように思う。その代表が新撰組であり、坂本龍馬
だったりするのだが、今作では混沌とした時代の中でも純心に一途に
生きていく男女を描いた、キャラメルボックス得意の青春幕末劇であ
る。従来の幕末イメージからは一線を画した、しかししっかりと時代
に翻弄される人々の姿を表した会心作だと思う。
この作品、なんだかんだと書きたいが、やはり舞台で生で観るに優
る感動はない。個人的には大内さんの「読めない」感情表現に、最後
まで引き込まれて観てしまった。この展開だと、たぶん最後はこうな
るかな?と読める舞台は多いが、彼の演技はそれを「あれ?どっちに
なるんだろう?」と思わせてくれる完成度の高い演技だった。今回は
役者さんの表情も良く見える席だったので、余計にそう感じたのかも
しれないが、改めてこの作品はDVDになってからも即買い!だ。
キャッチコピー「真っ青な空の下で、もう一度お会いしとうござい
ます」にも気持ちよく惑わされた。加藤さんの解説を聴いて、このコ
ピーの意味が初めて理解できたように思う。「今回は舞台を観なくて
もいいか」と思ってしまった自分は、そういう意味ではこの作品に正
面から向かう機会を逸し完敗であった。
「明日が楽しみな時代劇。」加藤さんの言った言葉に、この物語の
その後まで観てみたい気にさせられ、完全にハマってしまった(笑)。
「岡田さんのカツラはオーダーメイド」これも舞台を観るキーワード
かもしれない…。
今日の写真はキャラメルボックス「まつさをな」公演チラシ。
霞ヶ浦でCG使わずに撮影したそうだ。
以前ブログに掲載した吉田初三郎の「島原太夫」ポスターも完敗(笑)、
真っ青な爽やかポスターだ。
誘ってくれたチケットぴあ@Y氏に感謝!
12日は公演最終日、13日はトークショーもある。
http://www.caramelbox.com/stage/matsusawona/index_f.html
前作「少年ラヂオ」公演を希望日が合わず見逃しただけに、待望の舞
台である。しかも友人に紹介してもらい、公演直前の最終舞台リハー
サルを見せてもらったのだから、その興奮度たるや大変なもの!(笑)
結論から言えば、とにかく舞台は面白かった。キャラメルボックス
の舞台はスカパー!の「シアターテレビジョン」で過去の作品が毎月
放映されているので、小学6年の娘と録画して良く観ているのだが、
「これは本舞台を観たかった、観てみたい」と思わせてくれる作品が
とにかく多い。前作の「少年ラヂオ」に至っては、11月の福岡公演
が観られずに落胆していたところ、年末に放送があって年の瀬正月は
それを繰り返し観て愉しんだ。
製作総指揮の加藤昌史さんがコメントしているように、キャラメル
では女優が主演の舞台は前売りチケットがあまり売れない、というジ
ンクスがあるようで、今作の福岡公演も前作があっという間の完売だ
ったのに比べまだ席が余っているそうだ。今作も興味はあったが、実
は私もチラシと題名を観て「どうしょうか?今回はやめておこうか」
とチケットを買っていなかったクチであった。
理由は前作「少年ラヂオ」チラシを観た時に比べて違和感?があっ
た「まつさをな」のチラシと公演名。幕末が舞台でありながら、とに
かく「真っ青」な空の下で明るく笑う主演の温井摩耶と岡田達也の写
真の爽やかさに「あまりにも爽やかすぎて近寄れない」という印象を
持ってしまったのだ。
しかし、運良く最終リハーサルを拝見し、しかも公演後に加藤さん
の爆笑トーク(シアターテレビジョンではお馴染み!)による秘話や
裏話、キャストの紹介、そしてこの作品のテーマを詳細に解説しても
らって、「ああ、この舞台は見逃したら後でTVで観て後悔していた
な」と改めて思ったのだった。
今作の舞台は幕末の小田原藩。脚本の成井さんの解説にもあるが、
キャラメルボックスの時代劇は「常に」幕末を舞台にしている。「幕
末劇」という言葉を成井さんは使っているが、この言葉には哀愁や悲
哀のイメージがあるように思う。その代表が新撰組であり、坂本龍馬
だったりするのだが、今作では混沌とした時代の中でも純心に一途に
生きていく男女を描いた、キャラメルボックス得意の青春幕末劇であ
る。従来の幕末イメージからは一線を画した、しかししっかりと時代
に翻弄される人々の姿を表した会心作だと思う。
この作品、なんだかんだと書きたいが、やはり舞台で生で観るに優
る感動はない。個人的には大内さんの「読めない」感情表現に、最後
まで引き込まれて観てしまった。この展開だと、たぶん最後はこうな
るかな?と読める舞台は多いが、彼の演技はそれを「あれ?どっちに
なるんだろう?」と思わせてくれる完成度の高い演技だった。今回は
役者さんの表情も良く見える席だったので、余計にそう感じたのかも
しれないが、改めてこの作品はDVDになってからも即買い!だ。
キャッチコピー「真っ青な空の下で、もう一度お会いしとうござい
ます」にも気持ちよく惑わされた。加藤さんの解説を聴いて、このコ
ピーの意味が初めて理解できたように思う。「今回は舞台を観なくて
もいいか」と思ってしまった自分は、そういう意味ではこの作品に正
面から向かう機会を逸し完敗であった。
「明日が楽しみな時代劇。」加藤さんの言った言葉に、この物語の
その後まで観てみたい気にさせられ、完全にハマってしまった(笑)。
「岡田さんのカツラはオーダーメイド」これも舞台を観るキーワード
かもしれない…。
今日の写真はキャラメルボックス「まつさをな」公演チラシ。
霞ヶ浦でCG使わずに撮影したそうだ。
以前ブログに掲載した吉田初三郎の「島原太夫」ポスターも完敗(笑)、
真っ青な爽やかポスターだ。
誘ってくれたチケットぴあ@Y氏に感謝!
12日は公演最終日、13日はトークショーもある。
http://www.caramelbox.com/stage/matsusawona/index_f.html