記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

吉田初三郎の美人画(鳥瞰図以外の作品その1)

2007年04月03日 20時34分36秒 | 吉田初三郎
 吉田初三郎は一般的に名所図絵、鳥瞰図の第一人者として認識
されていると思われるが、私が最初に初三郎ファンになった理由
は実は鳥瞰図ではない。それどころか、初三郎よりも先に弟子で
あった前田虹映が描いた耶馬渓の絵葉書シリーズを骨董市で見つ
けたのが最初である。この下りは自著「ふくおか絵葉書浪漫」の
中にも書いている。

 耶馬渓は私の里からも近く、その色鮮やかな戦前の風景絵葉書
に魅了されたのだ。その後、初三郎が描いた大正初期の「耶馬渓
案内」を入手。これも後の初三郎式鳥瞰図ではなく、アール・ヌ
ーヴォーの影響も色濃い、多色銀刷り、頼山陽が表紙を飾ってい
る小型パンフであった。

 その後、雑誌「サライ」等で少しずつ初三郎が取り上げられる
ようになり興味が増す中、当時所属していた某地図会社発行の地
図マガジン「ラパン」に初三郎の連載が始まり、気が付けば夢中
になっていた。

 しかし、今でも集める際に最重要にしているのは、鳥瞰図以上
に美人画や風景画などの構図・彩色である。お気に入りは地元の
筥崎宮と博多小女郎伝説を題材にした原画である。お孫さんが所
有していたものだが、企画展や毎年伺うお墓参りなどを通じて親
しく接していただき、没後50年の記念にと譲っていただいた。
実は鳥瞰図など、何でも好きなものをと言われたのだが、これを
選んだ。(画像は後日公開します)

 今日掲載した画像は、戦後の代表的なポスター画である。北海
道開発大博覧会の際に出品されたもので、島原太友をモチーフに
した美人画ポスター。鮮やかな紺色を背景に、友禅絵師としての
画業スタートを象徴する着物図柄の繊細さと優雅さが表現されて
いて、見ていて惚れ惚れする。

 いくつか初三郎の絹本原画を所有しているが、実は鳥瞰図より
も、この手の美人画の方が多い(笑)。鳥瞰図の印刷折図は所有
数でいうと400点ほどだが、表紙に描かれた美人や図絵により
惹かれて集めているのが本音だ。絵葉書は種類でいうと750点
余り所有しているが、美人画をモチーフにしたものも100点近
くある。

 サイト「地図の資料館」でこれらの資料を少しずつ公開してい
るが、折図はスキャナでデータ化する作業に手間がかかるため、
なかなか掲載数が増えていない。それでも先日数えると100点
に達していた。絵葉書はサイズが小さいためデータ化が容易で、
実は密かに(笑)初三郎の絵葉書サイトの立ち上げを準備中であ
る。同時に前田虹映、吉田朝太郎の画業を紹介するサイトも準備
にかかっていて、できれば5月中には立ち上げたい。
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