記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

昭和の日に賑わう、豊後高田「昭和の町」と新施設秘話。

2007年04月30日 22時38分16秒 | まちづくり
 29日は今年から「昭和の日」である。27日に京都へ泊まり、その
日の夕刻のニュースでも特集されていた。取り上げられたのは「昭和」
をテーマにした豊後高田市の「昭和の町」。昨日は新施設のオープン日
だったので、仕事の打合せも兼ねて初日の賑わいぶりを観に行った。

 この日は朝6時に博多を出て、娘と一緒に実家のある豊前市へ。丁度
この日は稲作の苗代作りで、今年は小学6年になった娘も初参加で手伝
った。子供の頃から毎年顔を合わせていた叔父叔母も少しずつ鬼籍に入
り、養父の弟が継いでいる本家が抱える田んぼは、周囲で稲を作れなく
なった家の手伝いも含め3町歩を超える田んぼを管理している。

 苗代作りの舞台は、以前 日本で最も新しい「城」であった「旭城」
が僅か一年半で廃藩置県となり取り壊しになった後の材木を使って建築
された母屋の横で行われた。改めて母屋の造りを細部まで見たが、明治
初年の、しかも元はお城に使った木材や建築は130年を経てもしっか
りと残っている。前庭にかかる門扉も昭和初年に造られまだ現役だ。

 苗代作りは私達が加わり人数に余裕が出来たおかげて、予定よりも早
く2時間ほどで終わった。その後、養父や母も連れて宇佐経由で豊後高
田へと向かう。途中、宇佐に新しく出来たゆう動物病院に立ち寄り、仕
事をこなす。福岡市近郊でここ2年ほどで開院した動物病院の大半は私
が何らかのサポートをしていて、ここは少し離れていたが、友人の紹介
でホームページ作りや運営をサポートしている。

 豊後高田へ着いたのは13時。この日のオープンに合わせ、北名古屋
歴史民族資料館(旧師勝町歴史民族資料館=通称:昭和日常博物館)の
市橋氏が来られていた。昭和をテーマとした著作や関係した施設、映画
は数知れず!「ALWAYS三丁目の夕日」もここの協力なしには完成
していない。市橋氏には某資料館の夏の企画展への協力依頼をしている
ため、ここで落ち合って打合せをするのが本来の目的であった。

ちょうど豊後高田商工会議所の金谷氏も市橋氏と一緒にいたので、久し
ぶりの再開挨拶もそのままに、金谷氏を交えて打合せをした。金谷氏は
豊後高田「昭和の町」仕掛け人。学生時代は史学を専攻していただけに
歴史や文化にも造詣が深く、氏なくして今の豊後高田の盛り上がりは無
い。上っ面のテーマ観光ではなく、千年以上の歴史背景や町の成り立ち、
そして全国調査も含めた綿密なマーケティングとエリア戦略によって、
ほぼ計画通りというか計画以上にこの町は進化している。

 この日の新施設オープンは全国ニュースも含め、地元TVや新聞など
でも大きく取り上げられ、一般公開が始まる13時には用意された臨時
駐車場も含めて満杯となっており、駐車スペース確保にも苦労した。し
かし、商店街や昭和浪漫蔵の界隈に集っている観光客の多さには圧倒さ
れっぱなし!6年前最初に「昭和の町」がスタートした時、いやそれ以
前も知る身としては感慨深いものがある。

 新施設も一般的に見れば集客・売上げ増のための施設に見えるかもし
れない。しかし、背景にはせっかく遠くから来てくれた観光客の皆さん
が、雨天時や歩行が困難な方々でも「昭和」を体感できるようにという
配慮が根底にある。

 商業主義一辺倒の施設づくりではなく、ボランティアのガイドを含め
て手作り感を残した、昭和の本物を伝えるという基本は満たしていて、
新施設の有料スペース内も細部まで細かな再現や配慮に満ち溢れている。
「あっ、こんなとこにこんなものが!」という、つい笑顔になってしま
う工夫が、商業主義でなく、施設づくりをしている人も「楽しむ」姿勢
が出ているのだ。

 福岡市から豊後高田へ移って6年になる、駄菓子屋の夢博物館の小宮
氏が以前から私費で太宰府等へ開設していた小さな資料館兼駄菓子屋が
今はこうして多くの人々が訪れる施設となり、氏の思いや豊後高田の熱
意を知るものとしては本当に感慨深い。これから豊後高田を訪れる機会
がある方は、ぜひ人間模様や細部のこだわりも見てほしいと思う。小宮
氏が豊後高田からの誘いに悩んでいた当時を知る、私の妻は今回は仕事
で同行できず。次回は妻も交えて再度ゆっくり訪れるとしよう。

 この日は、この後みんなで大分市にいる弟夫婦の家へ泊まりに行った。

 ※今日の写真は「昭和の町」に新しく出来た新施設
 「昭和の夢町三丁目館」内の一部(有料スペース)にて、娘がポーズ。

 豊後高田「昭和の町」
 http://www.showanomachi.com/

 豊後高田の新施設構成をサポート、市橋氏の所属する
 北名古屋歴史民族資料館(昭和日常博物館)
 ここでは以前開催した吉田初三郎展の「鳥瞰図」「絵葉書」の収蔵
 カタログも販売中。最も早い時期に初三郎展をやった施設でもある。
 http://www.city.kitanagoya.lg.jp/tanoshimu/minzoku/

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