2021年12月30日(木)、かしいかえんは65年の歴史に幕を閉じました。
2018年春、当時の園長のご依頼で「80周年記念フォトグラグ かしいかえん 1938-2018」を編纂刊行してからわずか3年余での閉園。コロナ禍で世情が大きく変わったこともありますが、巷には多彩なレジャー施設が溢れる昨今、遊園地という業態そのものが終焉したようにも感じます。
閉園に際して、各メディアの番組で取り上げていただき、私はその都度後方支援に徹しました。かしいかえんの歴史を体系的にまとめたものはフォトグラフしかなく、前身施設からの歴史やエピソードの情報などが、どう調べればわかるのかも不明な中でした。私は西鉄広報アーカイブの顧問アドバイザーを務める立場から、広報担当を通じて情報を提供。番組によっては担当ディレクターに直接レクチャーしたものもありました。
西鉄さんでは2021年11月刊行のグループ社内誌「マチユメ」最新号でかしいかえんを特集。歴史や開園意義だけでなく、園内に遺る歴史遺構やエピソードなどをまとめたもので、12月以降に放送された番組制作にも生かされました。残念ながら一般の方々の目には触れる機会がないようですが、サイト「にしてつWEBミュージアム」や公式Facebook等で公開すべきと提案していますので、そのうち公開されるかもしれません。
今回、レクチャーや監修・資料提供等でお手伝いした主な番組は、
・KBC「発見!九州スピリット」11月度「かしいかえん1〜4」11/6・13・20・27
・FBS「めんたいワイド」ひと駅ノスタルジー・ひまわり観覧車(前・後編)12/13・20
・FBS「福岡くん。」さよならかしいかえん特集(前・後編)12/19・26
・NHK福岡「てれふく/ありがとう、さようなら、かしいかえん」1/14
などです。いずれも担当ディレクターさんとの打合せを重ね、西鉄広報や園のスタッフ関係者との連携で実現しました。
2月にはNHK総合「ドキュメント72時間」さようなら 私たちの遊園地~かしいかえん最後の花道(仮)も放送予定。これが現状、最後のかしいかえん記録番組、集大成になりそうで楽しみです。
跡地開発などは現状白紙のようですが、可能であれば「香椎球場」のスタンドや入場ゲート跡などの遺構を含めて検討保存されたら嬉しいです。バス道路の拡幅整備計画で元々解体予定だと聞いていたので、2年前には「めんたいワイド」ひと駅ノスタルジーでも「香椎球場の記憶」を取り上げ、地元の方々や西鉄ライオンズOBのご協力を得て放送しました。
遡ると、2008年にナイトシャッフル「記憶探偵」シリーズに関わって以降、私がお手伝いした番組で取り上げ取材・放送した施設・お店も、かなりの数がすでになくなっています。インタビューした方の中にも鬼籍に入った方がたくさんいて、いま同じ企画をやろうとしても無理なものばかり。改めて、意識的に企画提案・資料探し・リサーチを続けることの意味を考える日々です。
個人的に、西鉄グループ社内誌「マチユメ」かしいかえん特集の最終面(裏面)がとてもいいなと思っています。かしいかえんの動物たちはだざいふ遊園地へお引っ越しも完了。かつて西鉄グループの「遊園地三兄弟」の最後の砦、だざいふ遊園地はこれからも永く続いてほしいです。