記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

穏やかな晴天で博多湾の風光を満喫!

2007年04月19日 23時08分00秒 | 博多湾
 今日は朝から快晴、こんな日は気分も良く仕事もはかどる。昨日はと
にかく寒く、夜のニュースで九州各地で雪が降ったことを知って驚いた。
阿蘇は28センチも積雪があったんだとか。午後、福岡市西区の新設の
動物病院の打合せで出掛けた。

 あまりに天気が良かったので、普段なら都市高速の終点で降りるのだ
が、いくつか手前の愛宕で降りて海岸線を走った。愛宕山は戦前、全国
でも2番目にロープウェイが設置された場所。山頂にある愛宕神社から
の博多湾の眺めは最高である。時間があれば、参道脇の喫茶ギャラリー
愛宕倶楽部に立ち寄るのも良い。

 博多七松原のひとつ、生の松原を抜け長垂海岸へ出ると博多湾の絶景
が広がる。長垂は戦前、ペグマタイト群脈で有名だった場所で国の天然
記念物になっている。その麓には今も水が湧く「太閤水」がある。豊臣
秀吉が朝鮮出兵の折に休息をとり茶をたてた地で、博多湾沿岸にはいく
つもの「太閤水」があったが、今も水が湧いているのはここだけのよう
である。

 この太閤水のある場所から山頂付近へ続く長い石段が続くが、ここは
毘沙門天への参道である。さながら熊野古道のような風情ある石段であ
るが、国道沿いからは案内板も無く、地元の方でもあまり来る方はいな
いのが残念である。ここからの博多湾の展望も良い。

 余談だが、国土地理院の2万5千分の1地形図を見ると、この長垂海
岸の鉄道、JR筑肥線は旧来からある線が消され新線だけとなっている。
しかし実際、元々は単線だったものを複線化のために新線を設置したの
で旧線も上り線として健在なのである。撮影ポイントとしては、湾曲し
て旧線を走りトンネルから出てくる構図が絵になる。戦前の筑肥線の絵
葉書(昭和初期は北九州鉄道)は大半がそのポイントで撮影されている。

 今宿を過ぎると海岸線と国道が分かれる。海岸線を行くと、以前TV
の「鉄腕DASH」で博多湾横断レースのゴール地点となった今津へと
出る。この界隈は古代史、中世史の宝庫。前方後円墳をはじめとする、
旧伊都国(邪馬台国時代の国)時代からの遺跡や、元寇襲来にちなむ史
蹟が山ほどある。

 江戸期、全国の回船業の中でも最も繁栄した五ヶ浦回船の拠点も、こ
の博多湾沿岸である。そのひとつ、唐泊漁港界隈へ行くと名物の恵比須
蠣の旗が目につく。今年の冬は2度しか食べに行けなかったが、漁協が
やっている焼き蠣は最高だ。釣り好きが集まる海釣り公園横の特設テン
トが目印だ。

 打合せは九州大学の伊都キャンパス開設に合わせて新しくできた九大
学研都市駅近くで行われた。このあたりは2年前まで一面の田園風景だ
った場所、周囲には大塚古墳はじめ多くの古墳群がある。打合せ後、ま
た海岸線をのんびりと帰った。昨日の寒さが嘘のような穏やかな晴天で
あった。

 帰宅するとすぐに来客があった。先日、唐津で名刺交換したカメラマ
ンさんが、自宅裏で取れたタケノコ持参で遊びに来てくれた。あいにく
すぐに次の打合せがあったので短時間の談笑であったが、家族中が山菜
類が大好きなので、何よりの手土産、感謝である。

 気候が良くなり、制作した「博多湾周遊絵巻」の出番である。今日書
いた、博多湾沿岸の隠れた名勝は全てこの絵地図に描き込まれている。
取材してもう2年、改めてお気に入りのデジカメを持って眺望スポット
の撮影に行きたいと思った。

 今日の写真は、西区今山山頂から長垂海岸を望む夕暮れ。

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