福岡県と大分県の県境・山国川に架かる「山国橋」が公益社団法人土木学会の土木遺産(2022年度選奨)に認定されたとのこと。
宇佐生まれで中津・豊前エリアで育った私には、最も身近にある名橋なので素直に嬉しいです。
欄干のデザインも好きですが、とくに煉瓦造りの橋脚の美しさに惹かれます。
私が古い絵葉書の蒐集研究にハマるきっかけが、実はこの橋です。まず、古い絵葉書に写る橋は木橋で、煉瓦造りの橋脚も現在の半分。真ん中付近に継いだような跡があります。
木造の山国橋は1903(明治36)年の架橋で、現在の鉄筋コンクリート橋は1934(昭和9)年だそうです。煉瓦造りの橋脚はその際にデザインを踏襲して増築されたということでしょうか。
子供の頃、この橋を渡って中津市へ行くのが楽しみでした。今では面影はありませんが、私が子供の頃(1960〜80年代前半)の中津の中心部は百貨店や商店街が集積した田舎の大都会でした。1990年代まで、人口あたりの商業集積は日本一だったと記憶しています。
土木遺産に認定されて嬉しい限りですが、できればあまり手を加えずに、歴史を伝える近代化遺産として永く景観を含めて見守れたらいいなと思います。
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