marcoの手帖

永遠の命への脱出と前進〔与えられた人生の宿題〕

世界のベストセラーを読む(675回) (#6):異国の地でヨセフが信じていた神とは②

2020-06-16 06:00:20 | 聖書・聖句

◆ヤコブは先祖伝来のお墓のことを細かに覚えていて息子たちに伝えるのです。ここはエジプト、しかし神が導かれた先祖が眠るその地に帰って眠りたいと。ヤコブは息子たちに命じた。「間もなくわたしは、先祖の列に加えられる。わたしをヘト人エフロンの畑にある洞穴に、先祖たちと共に葬って欲しい。それはカナン地方のマムレの前のマクペラの畑にある洞穴で、アブラハムがヘト人エフロンから買い取り、墓地として所有するようになった。そこに、アブラハムと妻サラが葬られている。そこに、イサクと妻リベカも葬られている。そこに、わたしもレアを葬った。あの畑とあそこにある洞穴はヘト人から買い取ったものだ。」ヤコブは、息子たちに命じる終えると寝床の上に足を揃え、息を引き取り、先祖の列に加えられた。(創世記49:29-33)

◆エジプトで宰相になっていたヨセフはファラオに許しを得て、これまた壮大な葬列を組んでカナンの地に(戻って=上って)父ヤコブの亡骸を運び、そこで荘厳な葬儀を行いました。(創世記50:7-10)カナンの地ではエジプト流の「盛大な追悼の儀式」が行われましたが、これはエジプト式の葬儀だったのです。それは、ヨルダン川の東側にあると(11節)。(この地上の場所においてヤコブとヨセフは、ミイラという遺体処置がなされたのです)

◆父ヤコブの葬儀を終えて、一行はエジプトに帰って(下って)いく。兄弟たちは、昔ヨセフを奴隷として売り飛ばしたことの報復が父が亡くなったのでなされるのではないかと恐れました。しかし、ヨセフはこういうのです。

「恐れることはありません。わたしが神に代わることができましょうか。あなたがたはわたしに悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのです。どうか恐れないでください。・・・」(創世記50:19-21) ・・・ 続く 


世界のベストセラーを読む(674回) (#5):異国の地でヨセフの信じていた神とは①

2020-06-16 06:00:15 | 聖書・聖句

◆世界中に飢饉が訪れます。エジプトは、大臣となったヨセフの夢を解く力のおかげで事前の準備ができ、多くの貯えを持ちました。飢饉に困る周辺の人々は、多くの国の人々がエジプトに食料を求めにきました。父ヤコブ、兄弟たちがいたカナンの地も大変な飢餓に見舞われます。父ヤコブの命に従って、兄弟たちはエジプトに食糧を求めにきたのです。そのとき、大臣となった昔、あの奴隷として売ったヨセフに会見するのです。まさか奴隷として売ったヨセフが目の前にいる大臣になったとは思いません。ここで、ヨセフが幼いころに、将来、兄さんたちは自分に頭を下げる日が来るだろうと話していたことが、現実となったのです。

◆あの異郷の地エジプトで、大臣となったヨセフは当時の多くの宗教儀式や様々なとりなしなども行ったことでしょう。しかし、ヨセフは、わたしはアブラハム、イサク、(父の)ヤコブの神であるというそのお方を決して忘れなかったのです。そして、食物を買いに来た兄弟たちにとうとうヨセフは身のうちを明かします。

「わたしはあなたたちがエジプトへ売った弟のヨセフです。しかし、今は、わたしをここへ売ったことを悔やんだり、責め合ったりする必要はありません。命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです。この2年の間、世界中に飢饉が襲ってきますが、まだこれから5年間は、耕すこともなく、収穫もないでしょう。神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのは、この国にあなたたちの残りの者を与え、あなたたちを生き永らえさせて、大いなる救いに至らせるためですわたしをここへお遣わしになったのは、あなたたちではなく、神です。神がわたしをファラオの顧問、宮廷全体の主、エジプト全国を治める者としてくださったのです。急いで、父上のもとへ帰って、伝えてください。『息子のヨセフがこう言っています。神が、わたしを全エジプトの主としてくださいました。・・・・』」(創世記45:4-9)

◆幼いころからヤコブが溺愛していた末っ子のヨセフ。世界的な飢餓により食料を買い出しにエジプトに下った息子たちから、ヨセフはエジプトで大臣にもなり生きていたと聞かされ、会えるなら死んでもいいとヤコブは老体を押して親族ともどもエジプトに向かうのです。途中、ヤコブに神が幻の中で語り掛ける。「ヤコブ、ヤコブ、わたしは神、あなたの父の神である。エジプトへ下ることを恐れてはならない。わたしはそこで大いなる国民にする。わたしがあなたと共にエジプトへ下り、わたしがあなたを必ず連れ戻す。ヨセフがあなたのまぶたを閉じてくれるであろう。」(創世記46:2-4)・・・(「必ず」と言っていることに注目)

◆ヨセフは、カナンから父ヤコブと家族、親族を呼び寄せ、生存中、幸せに暮らすのです。・・・エジプトへ下ったヤコブの家族は総勢70名であったと書かれています。(紀元前1876年のこと)・・・しかし、ここは異郷の地です。しかも人は、必ずだれでも地上の生涯を終えなければなりません。

◆我に返って、これを読む人も聴く人もです。世界のほとんどの国の人々の誰もが異邦人ではないだろうか。しかし、地上の命ある誰もが心の中では永遠の命を求めているのではないだろうか。・・・ 続く