marcoの手帖

永遠の命への脱出と前進〔与えられた人生の宿題〕

世界のベストセラーを読む(671回) (#2):8月に礼拝でお話をすることになりました

2020-06-13 06:00:13 | 聖書・聖句

◆私たちが物事を理解するということの中には、聞く自分が前もって知られて分かって関連している内容に対して、今、相手が話されている内容が何らかのつながりがあれば分かる、ということになるのだと思います。まったく無知だったことがらに対しても、心の中で知りたいとか、疑問に思っていたという事柄に話が合えば分かったという満足につながります。ところが、まったく思ったこともない、知りたいとも思わないことがらに、実はそうなのだ、そのようになっていたのだ、と他人から言われたことには反発したくなるものです。特にこころの事柄に関係する宗教という内容に関してはです。人という生き物はその自由ということにおいて、すべて自分の思い、考えに障害となるであろうことがらを排他し前進しようとするものです。批判者は優位になる気分を持つものだからです。

◆人の「理解と納得」は、哲学用語ではアプリオリとも言いますが、先(前)理解(先に理解していたこと)、経験や学習によって覚えていたことが、改めて学んだ、学ばされた時に頭の中で関連するすることができた時、分かったという自分の意識として確認できるものです。その中には体験して身についた言葉も含まれるでしょう。経験として学ぶということです。ここで、まったく見ず知らずの外部から来る言葉に対して共感できることと、そうではないまったく排他するという気持ちが起こるのは何故なのでしょう。

ここで、殆どの人が共感する仏教についてはどうでしょうか。そはもともと葬式仏教ではありませんでした。この国には神仏習合といってその目指しているものは同じなのだろうと多くの人は殆ど屁理屈こねて面倒臭くすることをよいこととしていません。僕はこれを日本の国のよい点だと思っています。一点を除きですが。人が天上界のことを人の言葉であれこれと他人に対し定義し始めたときに腐敗が必ず始まると考えているからです。歴史上で海外からの政治がらみの外国のキリスト教が入って来たことによって(オランダは進んでましたから宗教にこだわらなかったから出島に来ることが赦された)、多くの殉教者がでたことは、その後、お寺に役所と同じような働きをさせ、檀家制度を作ったのはやむを得ないことだったと思います。そこで先祖の葬儀、法要も季節ごとに行われるようになり、今も夏には殆どの方が参加しています。ご先祖様を心情的に思う気持ち、その命の繋がりが今の自分の存在でもあるということは「先理解」がそのように身体に結びついているからとても強い信仰心の要となっています。

◆このような話をはじめにするのは、不条理の哲学を創設したと言われたノーベル文学賞を採られたアルバート・カミュが1947年に書いた「ペスト」という小説が新型コロナウイルスの流行で世界で140万部も売れたというニュースが流れていたからです。この小説にはペストが流行ってロックダウン(都市封鎖の自分の故郷のアルジェの町)の話がでてきます。その都市の中で、リューという医師や聖職者その他、様々な人々の思い、考えが語られていきます。ぺストという病気は14世紀に流行りヨーロッパでは三分の一の人々がその他の国々にも流行り22年間も続いたと言われた疫病で、政治、経済に多大な影響を与えた怖い病気でした。そのカミュの初期作品に「異邦人」という小説があります。・・・続く 

 


世界のベストセラーを読む(670回) (#1):8月の礼拝でお話をすることになりました

2020-06-12 11:25:24 | 聖書・聖句

★訳あって教会の聖日、礼拝でお話をすることになりました。

◆キリスト教国ではないこの国の人々によく考えていただきたい内容です。youtubeでは、日本の古代神道は遠い昔大陸からの多くの渡来人がキリスト教(ネストリウス派)を伝えた人々であったと言われているものがあり、古代ユダヤ人の埴輪が日本に見つかるとか、この国の人々のDNAが40%も近隣諸国には見られないユダヤ人に類似している(古代に渡来人があの西方から来ていた)というようなお話が流れています。ひと昔前はこのような話をすると欧米神学しか学ばれていない若い牧師さんからは石を投げられそうな状況でした。今では学問的にも解明されてきていることを嬉しく思いますが、このようなお話は礼拝ではできませんし、やりません。しかし、この国の人々の信仰心とはどういうものなのか、旧約の本当の神様にも近いイメージではなかったのかと思いを馳せ、それをお話します。

◆それで、今回のお話の焦点は、”ヨセフの信じて異国の地で生きたその神とはどういうお方であったか”です。その要旨を記録として残します。それは、僕が信徒であるから言える内容で、聖職者になってしまったらおそらく言えないことだろうと思いますし、この点を強調することはおそらくないだろうと思われるからですが、夏になり永眠者記念の礼拝もあり、これをお話するのは日本のお盆でもあり、終戦記念日でもあり、又、おそらく多くのクリスチャンの方もそうであろうけれど、ご先祖のお墓に詣でる月にもなっているからです。

◆欧米では、聖書の内容自体が教養の常識となっているのですが(深く理解しているかは別)この国においてはクリスチャンは聖書の内容が常識としても、その核心に至る前にその内容の物語をお話しなければなりません。しかし、部分のみのお話ではその背景として、必ず聖書はその背景の物語を読んでください、という条件が牧師さんが言わなくても付帯条件がついているのです(言っているその方が深く読んでいるかどうかは別)。いつもみ言葉に触れてくださいとのお薦めは、聖書を読んでくださいということです。それは一時、礼拝のみのお話で終わる内容ではなく、過去から(極端に言えば天地創造からとなりますが、実際のところそれ以降の神が選ばれたアブラハムからの歴史として語られているのですが)の歴史性の中で現在も信仰されている内容だからです。

◆自分の言葉で神の言葉と言われる聖書を読むこと「自分の言葉」でです。そして最終、今も生きておられると言われるあの十字架にかかられ復活したと言われる今のイエスとお話するというのが目標です。他人からいわれるのではなく、各人が内なる主体的な受け取りが必要になる、その方との会話です。このように書いたからといってあぁ、やはりそちら側の人(キリスト者だけ)の話なのね、ではないことはこれも聖書を深く読まねばならないということになりますが。そのことも含め、ヨセフの語はどういう物語で彼の信じていた神とはどういう方であったのかをお話してみたいと思います。・・・続く

 


#3:女優 岸恵子さんのこと、突飛な強い思い込み(付き)が人生を決めるか・・・

2020-06-03 06:55:24 | 日記
 
世界のベストセラーを読む(554回)再び シモーヌ・ヴェーユのこと 仕事において肉体労働を終えるに当たり

 世界のベストセラーを読む(349回目)哲学者 シモーヌ・ヴェーユ のこと Ⅰ 今回は、女性の方が読まれていれば石を投げられるかもしれない(旧約時代当時の刑罰の一つ......
 

◆連載は終わったが日本経済新聞の最終文化面「私の履歴書」に女優、岸恵子さんの連載が30回にわたり掲載されて僕は、毎朝読んでいた。こんなことを言うとお叱りを受けるかもしれないが、女性という生き物が突飛な、しかもなりふり構わず行動を起こすのは制限が多すぎる女性の位置(昔の女性に対するこの国の制約の多かったの生き方、今も?)に、個人の自由を求める意味を突然変異という形でなにがしかの提示をさせるために神様が起こさせて来たものなのだろうと思わされるなぁ。文章はうまいし旦那様はご優秀な家系のユダヤ人でセレブとなった方でしたが、女性特有の突飛な強い思い込みが行動を起こす・・・端から見れば興味が湧くのだろうが普通人から言えば、旦那と子供が気の毒ではあったと思う。しかし、自由と幸せを求める女性という生き物はこういう人生ドラマをつくる人にいつの時代もとても強く引かれるものなのである。・・・時代とは言えこういう生き方は僕向きではない。・・・

 


#2:ダブル・バインド(二重拘束)の克服

2020-06-02 07:47:07 | 日記
 
世界のベストセラーを読む(553回)僕の好きな小説 「悪童日記」アゴタ・クリストフ(早川書房)

 世界のベストセラーを読む(508回目)日常生活の冒険(連休5~6日目)少し大切な小難しい事、自分の中のもうひとりとイエスの死 雨が朝から降り始め・・・◆家のあちこ......
 

◆何度か紹介した僕の好きな小説。小説に出てくる双子は、実は誰でもが心の中にもつ内面の二人ではないかといつも思う。ダブル・バインドとは少し小難しく言うとグレゴリー・ベイトソンという人が1956年に「精神分裂病の理論家に向けて」の中で提案した精神分裂病の概念。矛盾しあうメッセージを文字通り受け止める人は精神的外傷を被るという二重の縛りを自分で持ってしまうという概念である。

◆しかし、この主人公の二人、それぞれは励ましあいながら親に捨てられ、婆さんにいじめられながらも、戦禍の中を生き延びていく。最後に、それぞれは自らを解放し、一人は未来へ、ひとりは現状(現実)に留まる。これは普段の僕らの姿ではないだろうか・・・・。


#1:日常生活の冒険

2020-06-02 06:59:03 | 日記
 
世界のベストセラーを読む(552回)永遠への天の窓はいつも僕らの頭上に開かれている(「令和」最初のブログ)

 世界のベストセラーを読む(507回目)日常生活の冒険(連休3~4日目)それは確かに大切なことなのだが・・・ カミュ『異邦人』小説ふうに・・・昨日は書きかけで、日常......
 

昨年は、平成から令和になった年だったのだな、穏やかに過ごす年から冷ややかな和合をなして、このとんでもない世界中の騒ぎに僕らの国は対応しているのだな。この不思議の国、日本。医療関係者で奮闘されておられる方々へ誰ともなく頑張れ日本!と僕は心の声をあげていた。・・・