ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

仏沢ダム

2016-08-30 19:22:39 | 秋田県
2016年8月27日 仏沢ダム
 
仏沢ダムは秋田県仙北郡美郷町金沢東根地区の雄物川水系善知鳥(うとう)川左支流仏沢にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1935年(昭和10年)に秋田県の事業で竣工し、管理は秋田県仙北平野土地改良区が行っています。
集水面積14.1平方キロのうち自己流域は1.4平方キロで、貯水容量の大半は善知鳥川からの導水に依ります。
1990年(平成2年)にかけての改修にあわせて、湖畔には仏沢公園やキャンプ場、日帰り温泉施設などが整備され周辺住民の憩いの場となっています。
 
 
下流から遠望。
 
堤体下流面
犬走りを挟んで3段構成。
 
残念ながら堤体は立ち入り禁止で、右岸から望むのみです。
上流面はコンクリートで護岸。
 
左岸の斜樋。
 
右岸の洪水吐。
 
 
 
周辺がよく整備され利用者が多いが故の天端の立ち入り禁止なんでしょうが、景色もがいいのでちょっと惜しい気もします。
 
3394 仏沢ダム(0511)
秋田県仙北郡美郷町金沢東根
雄物川水系善知鳥川左支流仏沢
24.7メートル(土地改良区HPでは22.5メートル)
180メートル(土地改良区HPでは159メートル)
1128千㎥(土地改良区HPでは1149千㎥)/1128千㎥
秋田県仙北平野土地改良区
1935年

潟尻第1ダム

2016-08-30 18:43:18 | 秋田県
2016年8月27日 潟尻第1ダム
 
潟尻第1ダムは秋田県仙北郡美郷町六郷東根の雄物川水系丸子川左支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1963年(昭和38年)に秋田県のかんがい排水事業で竣工し、管理は秋田県仙北平野土地改良区が行っています。
土地改良区のHPでは『潟尻第一ため池』と表記され完成は1965年(昭和40年)となっています。
また丸子川上流には自然沼を灌漑貯水池化した潟尻第2ダムがありますがこちらは堤高が12.9メートルのためダム便覧には未掲載です。
ダムと言う名は付くものの潟尻第一ダムの実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ダムも掲載されていません。
 
 
美郷町中心部から県道12号を東進すると潟尻第1ダムに到着します。
下流から
2012年(平成24年)に秋田県の溜池改修事業で洪水吐が整備されました。
 
右岸の横越流式洪水吐。
まだ白いコンクリートが目立ちます。
 
洪水吐導流部。
 
2012年に改修された洪水吐のコンクリートは白。
手前の石積みの擁壁との違いがくっきり。
 
堤体上流面。
上部は石積み、下部はコンクリートで護岸されています。
 
堤体下流面。
 
総貯水容量40万5000立米の貯水池。
雨のせいかずいぶん濁っています。
 
左岸の斜樋。
操作室はログハウス調。
 
0376 潟尻第1ダム(0510)
秋田県仙北郡美郷町六郷東根
雄物川水系丸子川左支流
31.8メートル
128.4メートル
405千㎥/405千㎥
秋田県仙北平野土地改良区
1963年

金沢溜池

2016-08-30 17:23:35 | 秋田県
2016年8月27日 金沢溜池
 
金沢溜池は左岸が秋田県横手市金沢、右岸が秋田県仙北郡美郷町金沢の雄物川水系中の目川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
秋田県のかんがい排水事業により1980年(昭和55年)に建設され管理は南旭川水系土地改良区が行っています。
実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ため池も掲載されていません。
 
下流から遠望
左岸から立派な洪水吐斜水路が伸びています。 
 
堤体下流面。
 
右岸に建つ竣工記念碑。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
総貯水容量70万2000立米の貯水池。
 
天端。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
左岸から
右岸に斜樋があります。
 
0389 金沢溜池(0509)
左岸 秋田県横手市金沢
右岸 秋田県仙北郡美郷町金沢
雄物川水系中の目川
29.2メートル
190.4メートル
702千㎥/644千㎥
秋田県南旭川水系土地改良区
1980年

天狗沢沼ダム

2016-08-30 16:41:11 | 秋田県
2016年8月27日 天狗沢沼ダム
 
天狗沢沼ダムは秋田県横手市杉沢の雄物川水系杉沢川左支流天狗沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では1932年(昭和7年)に秋田県の事業で竣工と記されており、その後の改修工事でダム化され天狗沢沼ダムとなりました。
管理は南旭川水系土地改良区が行っています。
実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ダムも掲載されていません。
 
国道107号から『みずほの里ロード』を北上、中島集落から東に向かうと天狗沢沼ダムの堤体が見えてきます。
秋田らしく杉林の奥に堤体が見えます。
 
堤体下流面。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
下流側から
奥の建物は斜樋の機械室。
 
天端は立ち入り禁止。
 
斜樋。
 
ダム下は草が茂り立ち入り困難のため底樋は確認できませんでした。
 
3395 天狗沢沼ダム(0508)
秋田県横手市杉沢
雄物川水系杉沢川左支流天狗沢川
18メートル
77メートル
130千㎥/130千㎥
秋田県南旭川水系土地改良区
1932年

明永溜池

2016-08-30 15:46:11 | 秋田県
2016年8月27日 明永溜池
 
明永(みょうえい)溜池は左岸が秋田県横手市睦成、右岸が同市明永町にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1935年(昭和10年)に秋田県の事業で竣工と記されています。
現地案内板によれば北側に大沼、南側に熊野堂沼と南北に隣接していた双子池を1982年(昭和57年)に秋田県の溜池改修事業で一体化、大沼は明永溜池に、熊野堂沼は熊ノ堂ダムに改修されました。
管理は南旭川水系土地改良区が行っています。
実態は溜池ですが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当ため池も掲載されていません。
 
再開発により北の明永溜池と南の熊野堂ダムが一体化され、明永溜池には洪水吐はなく熊野堂ダムの洪水吐が利用されます。(地図の赤マル)。
一方明永溜池の堤体は池の南から西側に延び堤頂長は710メートルに及びます(地図の緑線)。
(国土地理院地形図より) 
 
写真は明永溜池と熊野堂ダムを仕切る堰堤
ここに明永溜池の斜樋があります。
普段は別々の溜池として利用されますが、増水時は写真の切り欠き部分から熊野堂ダムへ水が流れます。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
斜樋に隣接して竣工記念碑と土地改良区の案内板が設置されています。
 
天端は車道。
 
堤体は池の南から西側に続き延長710メートルに及びます。
 
総貯水容量143万1000立米
 
堤体下流面。
すぐそばに集落があり、秋田らしく杉林が集落を守ります。
 
こちらは熊ノ堂ダム。
明永溜池に洪水吐はなく、増水時はこの洪水吐が使われます。
熊野堂ダムは堤高が15メートル以下のためダム便覧には掲載されていません。
 
 
熊野堂ダム貯水池。
 
2基の灌漑用溜池が改修で一体化され、ちょっと複雑な作りになっています。
 
0341 明永溜池(0507)
左岸 秋田県横手市睦成
右岸     同市明永町
雄物川水系横手川支流
18.3メートル
710メートル
1431千㎥/1431千㎥
秋田県南旭川水系土地改良区
1935年竣工
1982年改修竣工

相野々ダム

2016-08-30 14:12:20 | 秋田県
2016年8月27日 相野々ダム
 
相野々ダムは秋田県横手市山内平野沢の雄物川水系横手川右支流の岩野目沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1946年(昭和21年)に着手された農林省(現農水省)による国営雄物川筋農業水利事業の灌漑用水源として1961年(昭和36年)に建設されました。
現在は南旭川水系土地改良区が受託管理を行い、秋田県建設部所管の皆瀬ダムと併せて約1万4000ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
堤高40.8メートルは完成当時はアースフィルダムとしては日本最高を誇りました。
相野々ダムの集水面積37.8平方キロのうち自己流域である岩野目沢川はわずかに1.8平方キロで、その大半は横手川右支流黒沢川から導水して貯留しています。
2016年(平成28年)から2024年(令和6年)竣工をめどに耐震化改修工事が行われています。
 
黒沢川の取水口と相野々ダムの吐口の位置関係(国土地理院地形図より) 
 
相野々地区中心部の県道40号線に『あいののダム』を示す標識が現れます。
これに従い市道を進むと相野々ダム右岸に到着します。
ダム下流面。
 
天端。
 
ダム上流面はロック材で護岸。
 
下流面は2段構成になっています
また洪水吐が見当たりません。
 
総貯水容量358万6000立米の貯水位
青いとんがり屋根の取水塔が特徴的
 
洪水吐が見当たらないので、この取水棟が洪水吐を兼ねていると思われます。
 
左岸から
 
追記
相野々ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0374 相野々ダム(0506)
秋田県横手市山内平野沢
雄物川水系岩野目沢川
40.8メートル
133.9メートル
3568千㎥/3556千㎥
秋田県南旭川水系土地改良区
1961年
◎治水協定が締結されたダム

大松川ダム

2016-08-30 13:01:56 | 秋田県
2016年8月27日 大松川ダム
 
大松川ダムは秋田県横手市大松川の一級河川雄物川水系横手川右支流松川にある秋田県建設部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、横手川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給、新規灌漑用水の供給、横手市への上水道用水の供給、秋田県公営企業大松川発電所(最大出力1000キロワット)でのダム式水力発電を目的として1998年(平成10年)に竣工しました。
 
国道107号線から県道273号を北上すると大松川ダムに到着します。
クレスト自由越流頂11門、自然調節式オリフィス3門を装備。
 
上流面
手前に選択取水設備
左手に常用洪水吐のオリフィスが3門、うち洪水期用1門、非洪水期用2門でそれぞれ予備ゲートを備えています。
 
天端親柱にはユキツバキの装飾。
 
天端は歩行者のみ開放。
手前は取水設備操作室、右手はエレベーター棟。
 
減勢工と秋田県公営企業大松川発電所。
発電所は利水従属発電で最大出力1000キロワット。
 
総貯水容量1215万立米のダム湖(みたけ湖)
左手に艇庫とインクラインがあります。
 
左岸から下流面。
左右非対称で屋根が淡い紫色で統一された建屋群がアクセント。
 
左岸から上流面。
  
 
追記
大松川ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合に事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0391 大松川ダム(0505)
秋田県横手市山内大松川
雄物川水系松川
FNAWP
65メートル
296メートル
12150千㎥/11000千㎥
秋田県建設部
1998年
◎治水協定が締結されたダム