ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

八丁堰

2017-02-08 19:00:00 | 千葉県
2016年2月21日 八丁堰
2017年2月04日
 
八丁堰は千葉県鴨川市宮山にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には吉尾土地改良の事業により1933年(昭和8年)に竣工と記されており、土地改良区の前身である耕地整理組合によって建設されたと思われます。
現在は土地改良区の統合により長狭中央土地改良区が管理を行っています。
 
八丁堰は国道410号線沿いにありアプローチは簡単なのですが、池はフェンスでガードされて天端や堤体は立ち入り禁止となっています。
アプローチのよさ上の事故や不法投棄を防ぐためにはフェンスの設置はやむを得ないんでしょう。
 
天端と下流面。
 
上流面
堤体中央に斜樋が見えます。洪水吐は左岸にあります。
 
斜樋。(2017年2月4日)
 
0653 八丁堰(0237)
ため池データベース 122230015
千葉県鴨川市宮山
加茂川水系板屋川
18メートル
80メートル
151千㎥/151千㎥
長狭中央土地改良区
1933年

山居堰(山谷堰)

2017-02-08 13:20:08 | 千葉県
2017年2月4日 山居堰(山谷堰)
 
山居堰(さんきょせき)は千葉県鴨川市天面にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には西山耕地整理組合の事業で1939年(昭和14年)に竣工とあり、受益農家の持ち出しで建設されたと推察されます。
ため池データベースでは現在も管理・所有は西山耕地整理組合になっています。
また山谷堰の名で呼ばれることもあるようです。
池には最寄りの車道から徒歩で10分ほどで着きますが、一部やぶっぽいところがあるうえに民家の犬がやたら吠えるので注意したいところです。
 
天端の右岸側は竹藪化しており突入は自重。
 
天端にある塩ビパイプ
たぶんこれが取水管。
 
左岸の小さな洪水吐
水がちょろちょろあふれています。
 
洪水吐の少し上流にある池栓。
すでに機能していないようです。
 
さらに上流の斜樋
こちらも壊れています。
 
貯水池のサイズは1万4000立米
房総らしく水は濁っています。
 
堤体の下に下りると2本の導水路が合流しています。
手前は上の写真の洪水吐からの導水路、左手はわかりません。
 
斜樋も池栓も壊れており、塩ビパイプで取水を行っているようです。
帰りも犬に吠えられながら車まで戻りました。
 
3607 山居堰(山谷堰)(0833)
ため池データベース 122230030
千葉県鴨川市天面
房川水系房川
15.4メートル
40メートル
14千㎥/14千㎥
西山耕地組合
1939年

保台ダム

2017-02-08 12:00:00 | 千葉県
2016年1月21日 保台ダム
2017年2月04日
 
保台(ぼだい)ダムは千葉県鴨川市和泉の待崎川水系待崎川上流部にあるに灌漑及び上水道用水目的の重力式コンクリートダムです。
1985年(昭和60年)に農水省の補助を受けた千葉県のかんがい排水事業が着手されますが、これに上水道水源を求めていた鴨川市が水道事業者として参加し、1998年(平成10年)に保台ダムが竣工しました。
保台ダムは東条土地改良区への灌漑用水の供給、鴨川市水道課への上水道用水の供給を目的としており、ダムの管理は鴨川市水道課が受託しています。
 
県道191号に保台ダムへの標識があり、これに従って北に進むと鴨川カントリークラブとの分岐にかわいい保台ダムのモニュメントがあります。
(2017年2月4日)
 
左岸ダムサイトに駐車場があります。
ここは元清澄山への登山コースの起点になっており、冬場の休日は登山者でにぎわうようです。
天端は歩行者のみ通行可能。
(2017年2月4日)
 
左岸の管理事務所と艇庫。
なかなか立派な建物です。(2017年2月4日)
 
ダム湖は総貯水容量274万立米
房総らしく常緑広葉樹の原生林に囲まれています。(2017年2月4日)
 
天端路面には石張風の化粧型枠が施され、取水設備建屋も西洋の城郭風。
(2017年2月4日)
 
天端から
利水放流設備から河川維持放流が行われています。
左岸高台に保台浄水場があり奥の建屋は浄水場への揚水機場です。(2017年2月4日)
 
洪水吐は自由越流式クレストゲート3門のみ。(2017年2月4日)
 
上流面(2017年2月4日)。
 
左岸展望台から俯瞰。(2017年2月4日)
 
隣接する保台浄水場と配水場
配水タンクは房総の海をイメージした青と白の塗装。(2017年2月4日)
 
バブル期に設計、着工されたダムということもあり各種建屋や天端の装飾など非常に贅沢で凝った作りとなっています。
 
(追記)
保台ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0688 保台ダム(0207)
千葉県鴨川市和泉
待崎川水系待崎川
AW
41メートル
198メートル
2740千㎥/2540千㎥
鴨川市水道課
1998年
◎治水協定が締結されたダム

第1袋倉ダム

2017-02-08 11:09:28 | 千葉県
2017年2月4日 第1袋倉ダム
 
第1袋倉ダムは千葉県鴨川市東町の二タ間川水系袋倉川にある灌漑・上水目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には鴨川市と東条土地改良区の事業で1923年(大正12年)に竣工と記され、土地改良区の前身であった耕地整理組合と鴨川市の共同事業で建設されたと思われます。
1971年(昭和46年)に当ダムの上流約1キロ地点に上水目的の第2袋倉ダムが建設され能力が増強されました。
現在も第1袋倉ダムは灌漑用水は東条土地改良区へ、上水道用水は第2袋倉ダムと合わせて鴨川市東町浄水場へと送水されます。
 
国道128号天津バイパスの東町交差点から袋倉川沿いを約3キロ北上すると舗装が終わり、車両通行禁止のチェーンが現れます。
ここから徒歩で600メートルほどで第1袋倉ダムに到着します。
右手の袋倉川に洪水吐減勢工が見えます。
 
下流面
きれいに刈り払われています。
 
天端。
 
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
右岸の取水設備。
 
溜池新設記念碑。
 
ダム湖
総貯水容量15万7000立米
この上流に第2袋倉ダムがあります。
 
左岸の洪水吐。
 
ダムの半分が日影になり明暗差が大きく見づらい写真ばかりになっていましました。
形状は溜池ですがため池データベースへの記載はなく利水多目的ダムという扱いのようです。
上記のように当ダム上流には上水目的の第2袋倉ダムがありますが、度重なる災害でダム手前の通路が崩壊しており第2袋倉ダムへの到達は非常に困難な状況です。
 
3608 第1袋倉ダム(0832)
千葉県鴨川市東町
二タ間川水系袋倉川
AW
22メートル
60メートル
157千㎥/150千㎥
鴨川市・東条土地改良区
1923年