ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

川内ダム(再)

2017-08-02 21:00:00 | 新潟県
2016年5月22日 川内ダム(再)
2017年7月22日
 
川内(こうち)ダム(再)は新潟県柏崎市鯨波の前川にある柏崎市上下水道局が管理を行う上水目的のアースフィルダムです。
柏崎市は3基の市営上水道水源ダムを保有していますが、川内ダムは3基の中で最も歴史が古く1938年(昭和13年)に竣工しました。
2006年(平成18年)~2013年(平成25年)にかけての再開発工事により堤体上下流面の増厚と嵩上げ、および洪水吐の改良がおこなわれ、現行法による耐震基準を満たすとともに洪水時の放流量の増大がはかられました。
川内ダムには2016年(平成28年)5月に初めて訪問、翌年7月に柏崎ダムスタンプラリーの一環として再訪しました。
 
国道8号鯨波交差点から県道73号を南下、川内集落で右手に分岐する市道に入ると川内ダムに到着します。
ダム直下に川内浄水場がありますが敷地に立ち入りはできません。
(2017年7月22日)
 
下流面。(2017年7月22日)
 
ダム湖左岸にある取水設備
鉄骨トラスの管理橋がおしゃれ。
(2017年7月22日)
 
天端。
初回訪問時はてっきり立ち入り禁止かと思い中には入りませんでしたが、どうやら問題ないようで再訪時に右岸も見学しました。
(2016年5月22日)
 
天端からの眺め
直下に川内浄水場、奥に北陸道の橋脚が見えます。
(2017年7月22日)
 
ダム湖の総貯水容量は26万5000立米と溜池並の大きさです。
(2017年7月22日)
 
右岸の洪水吐
手前が古い洪水吐、奥は再開発で増設された洪水吐。
(2017年7月22日)
 
上流面はコンクリートで護岸
2013年に再開発されたばかりなのでまだまだ白いコンクリートです。
(2017年7月22日)
 
右岸に増設された長ーーい洪水吐。
(2017年7月22日)
 
越流した水は手前にあるトンネル式導水路を経て流下します。
トンネルを見れないのが残念。
(2017年7月22日)
 
ダム左岸には小さな公園が整備され柏崎町長として上水道の整備に尽力した西巻進四郎氏の胸像が建てられています。
(2017年7月22日)

0734 川内ダム(元)
新潟県柏崎市鯨波
前川水系前川
24メートル
122メートル
265千㎥/265千㎥
1938年
----------------------
3624 川内ダム(再)(0401)
新潟県柏崎市鯨波
前川水系前川
25.5メートル
128メートル
265千㎥/265千㎥
柏崎市上下水道局
2013年再開発

鵜川ダム

2017-08-02 17:00:00 | 新潟県
2016年5月22日 鵜川ダム
2017年7月22日
 
鵜川ダムは新潟県柏崎市清水谷の鵜川本流に新潟県が建設中の治水目的のロックフィルダムです。
上越市との境界付近にある尾神岳に源を発し柏崎市内を北上し柏崎市中心街を貫流して日本海に注ぐ鵜川は、豪雨のたびに氾濫をおこし戦後だけでも8度の大きな洪水被害が発生しました。一方で鵜川は流域の貴重な灌漑用水源となっていましたが夏場の渇水による水不足をが頻発、抜本的な治水を求める声が高まっていました。
そこで新潟県は鵜川上流部の清水谷に鵜川ダムの建設を計画、2004(平成16年)から本体建設工事に取り掛かり、2022年(平成34年)の竣工を目指しています。
現在は(2017年7月現在)仮排水トンネルによる流転工、本体基礎掘削、法面保護工が終了し、洪水吐および取水放流設備の工事を実施中です。
鵜川ダム完成の暁には鵜川の洪水調節および既得取水権としての灌漑用水への補給・安定した河川流量の保持を目的とする予定です。
鵜川ダム建設現場には2016年(平成28年)5月に初めて訪問、翌年7月に柏崎ダムスタンプラリーの一環として再訪しました。
 
ダム右岸に建設現場を俯瞰できる展望所が設置されています。
右岸の展望台から。(2016年5月22日)
 
(2017年7月22日)
 
(2016年5月22日) 
 
本体の基礎掘削工事は終了しているようです。(2016年5月22日)
 
(2017年7月22日)
 
洪水吐の建設が進んでいます。(2016年5月22日)
 
 (2017年7月22日)
 
ロック材のサンプル(2016年5月22日)
 
まだ堤体の盛立て工事には着手していないため、1年前と際立って大きく違うところは見られませんでした。
機会があれば盛立て工事開始後にまた再訪したいところです。
 
0790 鵜川ダム(0402)
新潟県柏崎市清水谷
鵜川水系鵜川
FN
55メートル
267メートル
4700千㎥/3180千㎥
新潟県土木部
2022年竣工予定

市野新田ダム

2017-08-02 12:05:16 | 新潟県
2016年7月20日 市野新田ダム
2017年7月22日
 
市野新田ダムは新潟県柏崎市女谷の鵜川左支流石橋川に農水省の柏崎周辺土地改良事業の中核施設の一つとして建設中の灌漑用ロックフィルダムで、2018年(平成30年)の竣工を目指しています。
1997年(平成9年)に事業着手された柏崎周辺土地改良事業はすでに栃ヶ原ダム後谷ダムおよび関連施設が完成・運用開始されており、市野新田ダムの完成をもって事業全体が一段落することになります。
また市野新田ダムは運用開始後は、上記2ダム同様に柏崎土地改良区が受託管理を行う予定です。
 
2016年(平成28年)7月に市野新田ダム建設現場を最初に訪問、翌年7月に柏崎ダムスタンプラリーの一環として再訪しました。
国道353号の綾子舞会館入り口を西に折れると市野新田ダムの建設工事現場が見えてきます。
洪水吐建設の模様。(2016年7月20日)
 
1年後、洪水吐はほぼ完成しています。
向かって右手の樋管は仮排水路?それとも利水放流水路?(2017年7月22日)
 
堤体を盛り立て中。(2017年7月22日)
 
右岸高台から。(2016年7月20日)
 
ズームアップ。(2016年7月20日)
 
ほぼ同じアングルから。(2017年7月22日)
 
右岸高台の東屋から俯瞰
ここからの眺めが一番よくわかります。(2017年7月22日) 
 
同じ場所からダム湖側
石橋川流域だけでは貯水量を満たせないので、鵜川本流に取水口を作り導水路でダムに送水されます。 
 
近接した鵜川下流では新潟県の事業で治水専用の鵜川ダムの建設工事も行われています。
これだけ近接した地域で2基のダム建設工事が同時に行われることは今後の日本ではもうないかもしれません。
 
追記
予定より1年遅れ2019年(令和元年)に市野神殿ダムは無事竣工しました。
 
3248 市野新田ダム(0491)
新潟県柏崎市大字女谷
鵜川水系石橋川
26.7メートル
199メートル
1687千㎥/1600千㎥
柏崎土地改良区
2019年

栃ヶ原ダム

2017-08-02 06:00:00 | 新潟県
2016年5月14日 栃ヶ原ダム
2017年7月22日
 
栃ヶ原ダムは左岸が新潟県柏崎市高柳町栃ケ原、右岸が同市高柳町門出の鯖石川水系境川にある灌漑目的の用重力式コンクリートダムです。
農水省の国営柏崎周辺土地改良事業の中核施設として2009年(平成21年)に竣工し、運用開始後は柏崎土地改良区が管理を受託しています。
ダムから放流された水は下流の3基の取水堰で取水され受益農地の灌漑用水として利用されています。
 
旧高柳町中心部から県道219号を南下、栃ヶ原神社の先でダムの標識に従って右折すると栃ヶ原ダムに到着します。
なお栃ヶ原ダムには2016年(平成28年)5月に初めて訪問、翌年7月に柏崎ダムスタンプラリーで再訪しました。
 
ダムの下流に橋があり、ここからダムと正対できます。
V字型の導流壁が美しく左右非対称の堤体は恰も猛禽が片羽を広げているようです。
クレストに自由越流式洪水吐が4門、オリフィスやコンジットゲートはありません。
 
減勢工
向かって右手(左岸)の利水放流設備から河川維持放流が行われています。
 
赤い屋根とコンクリート打ちっぱなしのモダンな管理事務所
と言っても豪雪地帯で屋根に雪が積もらないよう傾斜をつけてあるだけなんですが・・・。
 
右岸上流から
堤体中央に取水設備と機械室があります。(2017年7月22日)
 
天端には車止めがあり車両の通行はできません。
 
取水設備建屋
遠望するとなかなかおしゃれな取水設備機械室でしたが、そばで見るとトタン張りでチープ。
 
天端から減勢工。
 
ダム湖は総貯水容量247万立米。
 
左岸から下流面。(2017年7月22日)
 
よく見るとコンクリートの継ぎ目から漏水しているようです。
大丈夫かい?(2017年7月22日)
 
左岸上流から
ここから見ると管理事務所と取水設備機械室の並びはなかなかいいバランスです。
 
柏崎土地改良区ではここのほか旧西山町の後谷ダムを管理しており、さらに市野新田ダムが建設中です。
 
3246 栃ヶ原ダム(0382)
左岸 新潟県柏崎市高柳町栃ヶ原
右岸        同町門出
鯖石川水系境川
52.7メートル
152.2メートル
2470千㎥/2300千㎥
柏崎土地改良区
2009年

鯖石川ダム

2017-08-02 02:05:00 | 新潟県
2016年5月14日 鯖石川ダム
2017年7月22日
 
鯖石川ダムは新潟県柏崎市高柳町の鯖石川中流域にある新潟県営の治水目的の重力式コンクリートダムです。
鯖石川は十日町市の東頸城丘陵に源を発し柏崎市をほぼ真北に北上し柏崎中心街北側で日本海に注ぐ延長48キロの2級河川で、源流部が地滑り多発地帯となっている上に蛇行が著しく豪雨のたびに流域に洪水被害をもたらしてきました。
一方で、夏場には渇水による干ばつ被害も頻発し抜本的な洪水対策や河川流量の安定を求める声が高まりました。
これらの課題に対処するため、新潟県が1966年(昭和41年)に事業着手し1973年(昭和48年)に竣工したのが鯖石川ダムです。
鯖石川ダムは鯖石川の洪水調節、適正な河川流量の保持と不特定灌漑用水への補給を目的としています。
 
鯖石川ダムは県道12号沿いにありアプローチは簡単です。
2016年(平成28年)5月に初めて訪問、翌年7月22日に柏崎スタンプラリーの一環として再訪しました。
 
ダム下流の県道わきの畑から
非常用洪水吐としてクレストに赤いラジアルゲートが1門、常用放流管として左右両岸にバルブが計2門装備されています。
写真では見えませんが向かって右手(左岸側)のバルブから放流が行われています。(2017年7月22日)
 
ラジアルゲートをズームアップ。(2017年7月22日)
 
右岸の常用放流管バルブ。(2017年7月22日)
 
左岸下流から。
 
上流面。(2017年7月22日)
 
右岸の管理事務所
右岸堤体直上に盛土があり右手には巡視用船艇が繋がれています。(2017年7月22日)
 
天端から減勢工
高い導流壁が特徴、左岸放流管バルブから放流されています。(2017年7月22日)
 
ダム湖
一見小さめに見えますが蛇行しながら上流まで続き総貯水容量は600万立米あります。
 
天端は車両通行可能
右岸が屈曲しています。(2017年7月22日)
 
右岸から上流面。
 
0764 鯖石川ダム(0381)
新潟県柏崎市高柳町門出
鯖石川水系鯖石川
FN
37メートル
170メートル
6000千㎥/5100千㎥
新潟県土木部
1973年