ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

裾花ダム見学会

2017-08-04 22:37:02 | ダム見学会
2017年7月30日 裾花ダム見学会
 
朝一の奥裾花ダムの見学会に続いて裾花ダムへ。
移動途中の国道406号線裾花大橋からパチリ!
 
駐車場には数台の車で懸念したような滅茶混みという感じではなさそう
奥裾花ダム同様見学者の到着に合わせて職員さんが手分けして案内してくれます。
取水塔と上流面。取水塔内にゲートが見えます。
 
ラジアルゲートの手前はコンジットの予備ゲート。
 
取水塔をアングルを変えて。
 
右岸のインクラインと艇庫。
 
アーチの堤体。
今回は天端からの説明のみでキャットウォークの歩行などはありません。
 
農業用水補給のための放流。いわゆる河川維持放流です。
 
減勢工
副ダム手前に上記農業用水の取水口があるようです。
 
左岸から
奥が管理事務所。
 
制御室の見学
ダムマイスターのピンクのうさぎさんとご一緒できました。
 
ダムコン。
 
試験湛水時の放流
裾花ダムでは洪水調節のためのクレスト放流はまだ一度もないそうです。
 
次に企業局が主催する発電所の見学のためダム下へ移動
ダム直下の左岸には高さ100メートル近い大岸壁が!!
安山岩と角礫凝灰岩が織りなす地層と斜行する断層は地質マニアもよだれをたらしそう!
 
ガードが厳しい裾花ダムをダム下から見れるのは本当に貴重な体験です。
 
 
長野県企業局が運営する裾花発電所は地下発電所となっています。
 
発電機
最大出力1万4600キロワットの発電を行います。
 
水車ライナー。
 
クレーン。
 
無理なお願いと知りつつ湯の瀬ダムの見学をお願いすると快諾していただきました。
ピーク発電を行う裾花発電所の逆調整池として建設されました。
一昨年に塗装されたばかりの青いラジアルゲートが鮮やかです。
 
これが利水放流ゲート。
 
利水放流ゲートの減勢工にある小さなゲート
長野市上下水道局の取水ゲートです。
 
天端も開放していただきました。
 
天端から減勢工
左手は水道局の施設。
 
キャットウォークの開放というような派手なイベントはありませんでしたが、普段ガードの固い裾花ダムをじっくり見ることができ満足の見学会となりました。
さらにさらに、こちらのわがままなお願いにもかかわらず湯の瀬ダムまで見学させていただき、長野県企業局様には厚く厚く御礼申し上げます。

裾花ダム(元)

2017-08-04 18:30:00 | 長野県
2015年11月 7日 裾花ダム(元)
2017年 7月30日
 
裾花ダム(元)は左岸が長野県長野市入山、右岸が同市小鍋の一級河川信濃川水系犀川支流の裾花川にある長野県建設部が管理する多目的アーチ式コンクリートダムです。
裾花川は土砂流出量が多い上に急流河川のため犀川との合流地点を中心に洪水被害が絶えず、特に1949年(昭和24年)のキティ台風では長野市街の大半が水没する未曽有の災害となりました。
一方、長野市では戦後の発展を受け上水需要が急拡大し安定した水源確保が急がれていました。
これを受け1962年(昭和37年)に長野県は目的ダム建設を軸とした裾花川上流総合開発事業に着手、これに発電事業者として県企業部が事業参加し1969年(昭和44年)に竣工したのが裾花ダム(元)です。
裾花ダム(元)は建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、裾花川の洪水調節(最大毎秒660立米の洪水カット)、長野市水道局への上水道用水の供給、長野県企業局裾花発電所(最大出力1万4600キロワット)でのダム式水力発電を目的としています。
1979年(昭和54年)には裾花川源流部に奥裾花ダムが完成したことで、裾花川の治水能力は格段に向上し、長野県各所で甚大な水害が発生した1995年(平成7年)7月豪雨2019年(令和2年)台風19号の際にも裾花川流域での洪水被害は軽微にとどまっています。
一方で、両ダムではは計画を上回る堆砂が進行しており、貯水池内への土砂流入抑止策や治水計画の見直し等により2020年(令和2年)に『裾花川流域ダム再生事業』が採択され、裾花、奥裾花両ダムの再開発が着手されました。
2062年(令和44年)竣工をめどに、裾花ダム(元)では土砂バイパスの新設と貯水池掘削、奥裾花ダムではダムの嵩上げ、バイパス水路の新設、貯水池掘削が実施される予定です。
 
 裾花ダム(元)には2015年(平成27年)11月に初めて訪問、2017年7月にダム見学会に合わせて再訪しました。
2017年(平成29年)の再訪時は見学会に参加し、普段は立ち入ることができない堤体直下からダムを望むことができました。
(2017年7月30日)
 
クレストには2門のラジアルゲート、下段にはコンジットゲートが2門あります。
竣工以来洪水調節のためクレスト放流が行われたことがないそうです。
(2017年7月30日)
 
国道406号線の小鍋1号トンネルを抜けた先にダムの入口があり、目の前にダムの上流面と取水塔が現れます。
コンジットゲートの予備のコースターゲートが見えます。
(2017年7月30日)
 
初回訪問時、右手の予備ゲートは降ろされたままでした。
 
独特の風貌の取水塔。(2017年7月30日)
 
右岸上流側のインクライン、奥は国道のスノーシェッド。
(2017年7月30日)
 
左岸から
天端は平日のみ開放されています。今回は見学会ということで職員さんの解説付きでした。
(2017年7月30日)
 
コンジットゲートの下から放流されている水は不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給です。
裾花ダムには不特定利水容量の配分はなく、あくまでも流入量の範囲で既得灌漑用水へ用水補給を行っています。
(2017年7月30日)
 
副ダムの手前に灌漑用水の取水口があるようです
一方副ダムの右手の地下に裾花発電所があります。
(2017年7月30日)
 
ラジアルゲート。(2017年7月30日)
 
国道406号線裾花大橋から
ラジアルゲートと両端にコンジットゲートの予備ゲート
実は裾花ダム(元)はここから見た姿が一番恰好よかったりします。
(2017年7月30日)
 
通常は土日は天端に入ることもできず見学スポットが限られる裾花ダム(元)ですが、見学会ということで天端はもちろん、直下の発電所からもアーチの雄姿を眺めることができました。
なお見学会のついては裾花ダム見学会に詳細を記してあります。
 
(追記)
裾花ダム(元)には洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

1017 裾花ダム(元)(0044)
左岸 長野県長野市入山
右岸     同市小鍋 
信濃川水系裾花川
FWP
83メートル
211.2メートル
15000千㎥/10000千㎥
長野県建設部
1969年
◎治水協定が締結されたダム
-------------
3713 裾花ダム(再)
左岸 長野県長野市入山
右岸     同市小鍋 
信濃川水系裾花川
FWP
83メートル
211.2メートル
15000千㎥/10000千㎥
長野県建設部
2020年~

奥裾花ダム見学会

2017-08-04 12:58:45 | ダム見学会
2017年7月30日 奥裾花ダム見学会
 
前日の浅川ダム見学会に続いて7月30日は奥裾花ダム(元)裾花ダム(元の見学会に参加させていただきました。
浅川ダムの出足が早かったので、見学会開始予定の10時よりもかなり早く9時前に奥裾花ダムに到着したのですが・・・
 
駐車場にはすでに数台の車が駐車、そしてありがたいことに職員さんたちは予定の10時を待たず来場者を順次ダムに案内してくれていました。
受付を済ませて参加賞の缶バッジを~
5種類もあるので迷っちゃう!
 
管理事務所一階が監査廊入口になっています。
 
気温は10度、水が溜まっている分昨日の浅川ダムよりも温度が低くなります。
 
オリフィスゲートの操作室。
 
オリフィスゲートを真上から。
 
アングルを変えて
オリフィスは融雪放流などかなり頻繁に放流が行われているようです。
 
オリフィスゲート直上から
左手に第1第2発電所があります。
 
オリフィスの予備ゲートの巻き上げ機。
 
予備ゲートのプレート
田原製作所です。
 
階段を上ると。
 
クレストのラジアルゲートの上に出ました。
運用開始以来洪水調節のためクレストゲートを開けたのは1995年(平成7年)7月豪雨の時一回だけだそうです。
 
 
 
オリフィスの予備ゲート。
 
ダムの見学の後は制御室に移ります。
ダムコンへの移行はまだで昔ながらの制御盤が使われています。
 
 
制御室の見学で奥裾花ダムの見学会は終了
今度はダム下に向かい県企業局の発電所の見学へ。
 
こちらは今年増設されたばかりの第2発電所
最大出力980キロワットでFIT電力として新電力に売電されています。
 
発電機。
 
うれしいことに普段立ち入れないダム下からダムを見ることができます。
 
 
ゲートをズームアップ
見学会参加者が見えます。上から8番目の写真はあの位置から撮ったものです。
 
奥裾花ダムは、普段は天端も立ち入り禁止で見れる場所が限られているダムですが、今回は見せられるところはほぼすべて見せていただくことができ、非常に有意義な見学会となりました。
このあとは下流の裾花ダム(元へと向かいました。

奥裾花ダム(元)

2017-08-04 06:00:00 | 長野県
2015年11月 7日 奥裾花ダム(元)
2017年 7月30日
 
奥裾花ダム(元)は左岸が長野市鬼無里、右岸が同市鬼無里日影の一級河川信濃川水系裾花川上流部にある長野県建設部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1969年(昭和44年)の裾花ダム(元)の完成により裾花川中下流部の治水能力は大きく向上しますが、上流部については依然脆弱な状態が続いていました。
さらに増加する長野市の上水需要や鬼無里村への上水供給から新たな上水用水源の確保が求められました。
そこで長野県は裾花ダム(元)竣工直後の1969年(昭和44年)に裾花川上流部での新たな多目的ダム建設に着手、1979年(昭和64年)に竣工したのが奥裾花ダム(元)です。
奥裾花ダム(元)は建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、裾花川の洪水調節(最大毎秒220立米の洪水カット)、長野市及び鬼無里への上水道用水の供給、長野県企業局奥裾花第1第2発電所合わせて最大2680キロワットのダム式水力発電を目的としています。

両ダムの完成により裾花川の治水能力は格段に向上し、長野県各所で甚大な水害が発生した1995年(平成7年)7月豪雨2019年(令和2年)台風19号の際にも裾花川流域での洪水被害は軽微にとどまっています。
一方で、両ダムでは計画を上回る堆砂が進行しており、貯水池内への土砂流入抑止策や治水計画の見直し等により2020年(令和2年)に『裾花川流域ダム再生事業』が採択され、両ダムの再開発事業が着手されました。
2062年(令和44年)竣工をめどに、裾花ダム(元)では土砂バイパスの新設と貯水池掘削、奥裾花ダム(元)ではダムの嵩上げによる貯水容量の増大、バイパス水路の新設、貯水池掘削が実施される予定です。

奥裾花ダム(元)には2015年(平成27年)11月に初訪、2017年7月にもりみず旬間のダム見学会に合わせて再訪しました。
日付のない写真はすべて再訪時のものです。

ダム手前の樹間から。普段はここから眺めるのみ。
(2015年11月7日) 
 
2017年7月30日の見学会ではダム下の発電所まで入ることができました。
非常用洪水吐としてクレストラジアルゲートを2門、常用洪水吐としてオリフィス高圧ラジアルゲートを1門装備。
向って右手に第1第2発電所があり、放流水が流下しています。
 
ゲートをズームアップ
オリフィスゲート上に見学者が見えます。
 
下流面。
堤体から発電用水圧鉄管が突き出ています。
 
上流面
中央に取水設備、対岸にはインクラインと艇庫。
(2015年11月7日) 
 
初回訪問時は第二発電所はまだ建設中。
(2015年11月7日) 
 
再訪時。
 
オリフィスゲート直上から
奥から増設された第2発電所、手前に第1発電所、一番手前の小さな建屋は利水放流設備。
 
ラジアルゲート下流側。
 
ラジアルゲート上流側。
 
天端。
 
右岸から上流面
対岸は管理事務所、奥はダム湖に架かる奥裾花大橋。
 
2017年7月30日の見学会では監査廊やゲート操作室などを見せていただけました。
なおダム見学会の詳細は奥裾花ダム見学会に記してあります。 

(追記)
奥裾花ダム(元)には洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

1028 奥裾花ダム(元)(0045)
左岸 長野県長野市鬼無里
右岸     同市鬼無里日影
信濃川水系裾花川
FWP
59メートル
170メートル
5400千㎥/3300千㎥
長野県建設部
1979年
◎治水協定が締結されたダム
---------------
3714 奥裾花ダム(再)
左岸 長野県長野市鬼無里
右岸     同市鬼無里日影
長野県長野市鬼無里
信濃川水系裾花川
FWP
59メートル
170メートル
5400千㎥/3300千㎥
長野県建設部
2020年~

浅川ダム見学会

2017-08-04 02:24:41 | ダム見学会
2017年7月29日 浅川ダム見学会
 
全国各地のダムが一斉に見学会等のイベントを実施する『森と湖に親しむ旬間』、国交省から各ダムのスケジュールが発表されると『どこに行こうか?』例年頭を悩ませるのですが、今年は『7月29日 浅川ダム』を見てここしかない!と即決。
田中元知事の『脱ダム宣言』に翻弄され、一時は事業中止の憂き目にあいながら今年ようやく運用開始に漕ぎ着けた浅川ダム初の公式な見学会ですからこれを見逃す手はありません。
ということで7月29日は浅川ダムの見学会に参加してきました。
 
朝の8時からスタートする『浅川ダム祭り』の一環として、10時から見学会がスタートするんですがちょっと早めの8時半に到着したら、あいにくの雨にもかかわらずすでに結構な人出、見学会の受付をすると11時の組となりました。
時間があるのでひと通りダムを見学して時間をつぶしたんですが、その間も続々と来場者が到来、なんと10時過ぎには午後の最終組まで定員がいっぱいになってしまう盛況ぶりで、遠方から見学会を目当てに来たダム愛好家の多くががっくり首をうなだれる姿もあちこちで見られました。
 
さて、見学会は1組16名で約1時間の予定、まずは天端に向かってダムの概要説明からスタートです。
浅川ダムは日本で3例目となる流水型治水専用ダムです。
 
上流面に常用洪水吐と流木除けのゲージ(鳥籠)が見えます。
 
堤体は左岸側が屈曲しています。
 
天端
中央の建物はエレベーター棟
職員さんの話では長野市内の絶好の夜景展望スポットだそうです。
 
治水専用のため普段はダム湖には水がありません
洪水の際はここに110万立米の水を貯め込んで下流の洪水被害を抑えます。
 
湖岸を保護するため階段状の流路が作られています
向かって左にはジグザグの魚道。
 
中央のゲートは建設工事の際の転流のためのゲートで、運用開始後は大きな流木や岩石を止める役割をするそうです。
 
真下のゲージの下に常用洪水吐があり、平時は浅川の水はここから堤体を潜ってそのまま下流に流下します。
 
減勢工
洪水の際クレストを越流した水は堤趾導流壁の内側の減勢工へ流れます
左手は常用洪水吐からの流路。
 
エレベーターで地下6階の監査廊へ。
 
監査廊の気温は17度。
 
監査廊内の水を揚水する施設。
 
揚圧力計
新しいダムなのでコンクリートの壁も計器も新品です。
 
水位低下設備のプレート。
 
水位低下設備。
 
右岸から堤体直下に出ます。
 
こんなアングルで堤趾導流壁を見れます。
 
下流から。
 
ゲートを開けて立ち入り禁止ゾーンへ。
 
複雑な構造の減勢工
中央が常用洪水吐からの水路、つまり流水路です。
 
流水型ダムの肝はもちろん流水路。
いよいよそこに進入します。
 
この奥が常用洪水吐になります
平時は浅川の水はダムという巨大な壁の下を潜り、自然な形で流下してゆきます
右手は魚道。
 
流路を抜けた水はそのまま浅川を流下します。
 
たまたま同じ組になった地元にお住まいの高齢のご夫婦と懇意になり、1949年(昭和24年)の裾花川の大洪水の話や脱ダム宣言以降のごたごた話などいろいろお話を伺うことができました。
もちろん地元でも賛否両論はあったでしょうが、少なくとも浅川流域の皆さんにとっては長年の悲願がかなった浅川ダムの完成だということは確信できました。

浅川ダム

2017-08-04 00:00:26 | 長野県
2017年7月29日 浅川ダム
 
浅川ダムは長野市真光寺の信濃川水系千曲川左支流浅川上流部にある長野県建設部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
飯綱山に源を発し長野市街北部を東西に横断して千曲川に注ぐ浅川は全長約17キロ、流域面積73平方キロの一級河川ですが、上流域は急流河川、中流域は天井川を形成しほぼ毎年のように洪水が発生していました。
1977年(昭和52年)に長野県は浅川上流部への多目的ダム実施計画が採択され、多目的ダムによる治水・利水事業を図り2000年(平成12年)には本体工事契約の締結まで漕ぎ着けました。
ところが同年就任した田中知事は『脱ダム宣言』を発表、浅川ダムについても工事契約を解約し本体工事は事業中止、ダムに依らない治水対策が検討されました。
しかし田中知事の後を継いだ村井知事はダムを含めた治水計画を再検討し、新たに流水型治水専用ダムの建設という形で浅川ダム事業が再採択されました。そして2010年(平成22年)に本体工事に着手し2016年(平成28年)に竣工したのが浅川ダムです。
ダムは同年3月より浅川の洪水調節を目的とする治水専用ダムとして運用が開始されました。
浅川ダムは全国でも数少ない流水型の治水専用ダムで、通常はダム湖には水を貯めず浅川の水はそのままダムを潜り下流へと流下します。一方洪水時は貯水池に110万立米まで貯水して下流の洪水を食い止め、100年に一度の規模の洪水まで対応できる設計となっています。
 
今回は『森と湖に親しむ旬間』に併せて実施される『浅川ダム祭り』のダム見学会に参加させていただきました。
長野市街中心部から県道37号を北上すると、浅川東条交差点に『浅川ダム』を示す標識が出ています。これに従って左折し真光寺ループを超えると浅川ダム左岸ダムサイトに到着します。
 
上流から
非常用洪水吐としてクレストには6門の自由越流式洪水吐があります。
一方堤体は左岸が屈曲しているのが特徴です。
 
下流から
中央の建物はエレベーター棟
クレスト放流に備え背の高い堤趾導流壁が設置されています。
 
治水専用ダムのため普段はダム湖には水はありませんが洪水時には110万立米の水が貯留されます。
手前のゲートは建設工事期間中の転流用のゲートで、運用開始後は流木や土石除けの役目を果たします。
 
ズームアップ
ダム湖上流部は湖岸保護のため階段状の流路が作られ、流路右岸側(向かって左手)にはジグザグの魚道が設置されています。
 
堤体直上の眺め
水がない治水専用ダム独特の眺めです。
平時は、浅川の水は真下見える流木除けのゲージ(鳥籠)の下にある常用洪水吐から堤体を潜って流下します。
 
天端から見た減勢工
洪水時、クレストを越流した水は堤趾導流壁内の減勢工へ向かいます
平時は常用洪水吐から流下した水は左手の減勢工から下流に流下します。
 
天端は24時間開放されています
長野市街の絶好の夜景展望ポイントだそうです。
 
下流から。
 
減勢工をズームアップ
向かって左手は洪水時クレストを越流した際の減勢工
中央は常用洪水吐からの水路
一番右手の細い水路は魚道。
 
複雑な構造ですが、見れば見れるほど『実に面白い』。
 
今回は見学会ということで常用洪水吐の中も見せていただけました。
向かって左が水路、右は魚道。
 
政治に翻弄されながら、今年無事に運用が開始された浅川ダム。
関心の高さを示すように見学会も大盛況、午前10時過ぎには午後の部も含めてすべての定員がいっぱいになってしまいました。
ダム周辺も整備され、24時間開放される天端は長野夜景の展望スポットとして観光名所になればいいですね。
 
1036 浅川ダム(1095)
長野県長野市真光寺
信濃川水系浅川
53メートル
165メートル
1100千㎥/1060千㎥
長野県建設部
2016年