ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

中の沢ダム

2019-11-07 11:39:38 | 北海道
2019年10月22日 中の沢ダム
 
中ノ沢ダムは北海道士別市西士別町の天塩川水系犬牛別川左支流イパノマップ川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
現地改修記念碑によれば北海道の事業により1936年(昭和11年)に竣工、戦後数度の改修を経て現在に至っています。
ダム便覧では竣工1937年となっていますが、ここでは竣工記念碑の1936年を採ります。
現在のダムの管理はてしおがわ土地改良区が行い、イパノマップ川流域農地155.56ヘクタールに灌漑用水の補給を行っています。
 
国道239号で学田峠を越えた二つ目の分岐を北に折れ、そのまま進むと中の沢ダムに到着します。
堤高は15.2メートルとダムの要件ぎりぎりですが、堤頂長は180メートルと北海道らしい横長のアースダムです。
綺麗に刈られた芝は緑から黄色へと変わりつつあります。
 
右岸の洪水吐導流部。
 
左岸ダムサイトまで車で上がれます
天端脇にある改修記念碑と水神。
 
改修記念碑のダム諸元
管理者は士別西南土地改良区とありますが、その後の土地改良区統合により現在の管理者はてしおがわ土地改良区となっています。
 
記念碑裏手には中の沢ダムの沿革が記されています。
この記念碑は1990年(平成元年)の道営溜池等整備事業の竣工を記念して建立されたものです。
 
天端は立ち入り禁止。
 
水が抜かれた貯水池。
総貯水容量は94万8000立米と溜池としてはかなり大規模です。
 
斜樋と土砂吐。
 
北海道で多く見られる多孔式斜樋。
 
上流面は石積みで護岸されています。
対岸に横越流式洪水吐があります。
 
(追記)
中の沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0033 中の沢ダム(1554) 
ため池コード
北海道士別市西士別町
天塩川水系イパノマップ川
15.5メートル
180メートル
946千㎥/625千㎥
てしおがわ土地改良区
1936年
◎治水協定が締結されたダム 

北線ダム

2019-11-07 10:27:49 | 北海道
2019年10月22日 北線ダム
 
北線(きたせん)ダムは北海道士別市温根別の天塩川水系温根別川右支流オロウエンベツ川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
現地竣工記念碑よればもともと当地には1933年(昭和8年)竣工の灌漑用貯水池がありましたが1939年(昭和14年)の洪水で決壊、以来放置状態となっていました。1962年(昭和37年)より農林省の補助を受けた道営かんがい排水事業により改めて灌漑用ダム建設が進められ1968年(昭和43年)に竣工しました。
なおダム便覧では1967年竣工となっていますが、ここでは現地記念碑の1968年を採用します。
ダムの管理はてしおがわ土地改良区が行い、士別市温根別川流域の177ヘクタールの農地に灌漑用水の補給を行っています。
 
北線集落で道道251号から西に折れ、オロウエンベツ川沿いを進むと北線ダムの竣工記念碑が現れます。
御影石で作られた真新しい記念碑。
 
裏側には北線ダム建設の経緯と諸元が記されています。
 
竣工記念碑尾から僅かに進むとダム下に到着します。
残念ながらここから先は立ち入り禁止。
ダム下の水利使用標識 期限は平成17年・・・10年以上前に切れていますが?
河川はニセイパロマナイ川になっていますが、地図を見る限りはオロウエンベツ川なのですが?
 
堤体と洪水吐を見上げます。堤体を車道がジグザグに登ります。
堤高18.3メートル 堤頂長74メートルと堤体は大きくはありませんが総貯水容量は82万4000立米と溜池にしてはかなり大規模で、谷間に沿って上流まで細く長く伸びる貯水池なのでしょう。
 
洪水吐導流部。
 
洪水吐導流部はそのままオロウエンベツ川となります。
たぶんこの下に取水設備からの吐口があるはずです。
 
(追記)
北線ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0075 北線ダム(1553)
ため池コード
北海道士別市温根別町
天塩川水系オロウエンベツ川
18.3メートル
74メートル
824千㎥/814千㎥
てしおがわ土地改良区
1968年
◎治水協定が締結されたダム