ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

奥胎内ダム

2019-11-11 18:32:27 | 新潟県
2016年 6月11日 奥胎内ダム
2019年11月 3日

奥胎内ダムは新潟県胎内市下荒沢の胎内川水系胎内川上流部にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)8月の羽越豪雨により新潟県下越地方各河川で甚大な洪水被害が発生し、これを契機に建設省や県は各河川の治水対策に乗り出します。
胎内川においては新潟県が1976年(昭和51年)に中流に胎内川ダムを建設しましたが、その後も洪水被害は絶えず、1985年(昭和60年)にさらなる治水能力向上を目指し胎内川ダム上流5キロ地点への新ダム建設事業が着手されました。
しかし国立公園内へのダム建設ということで事前調整が難航、2002年(平成14年)に本体工事が開始されますが豪雪地帯のため工期は夏期に限定され2018年(平成30年)にようやく奥胎内ダムが竣工しました。
奥胎内ダムは国交省の補助を受け建設された補助多目的ダムで、胎内川ダムと連携した胎内川の洪水調節および新潟県企業局胎内第4発電所での最大出力2600キロワットのダム式水力発電を目的とし、試験湛水ののち2019年(平成31年)4月より運用が開始されました。
国立公園内の自然豊かな場所に位置することから通常は一般の立ち入りは規制されており、その姿を目にすることはできません。
今回は地元NPO団体が主催するダム見学会に参加してダムを訪問することができました。
 
こちらはダム建設中の下流の建設資材のプラント。(2016年6月11日)
 
これからは2019年11月3日の見学会の写真となります。
ダムの上流面、目の前の車道は歩行禁止区間のためバスからの撮影です。
 
下流面。
 
このスロープはダム直下にある発電所への通路です。
今後ここにインクラインが設置される見込み。
 
上流面
手前が取水設備、奥はオリフィスゲートの取水口。
 
ダム湖は総貯水容量1000万立米。
さほど大きく見えませんが奥に長く細く続いています。
 
天端
奥はエレベーター棟、手前は取水ゲート機械室。
 
減勢工と副ダム
副ダム右手の地中に胎内第4発電所があります。
 
下流面
堤体中段より堤趾導流壁があります。
 
洪水吐はクレストに自由越流式洪水吐6門、オリフィスに自然調節式1門
対岸堤趾導流壁の外側に発電所への管理通路があります。
 
上流面
水位は低く見えますが、これで常時満水位となります。

 
2918 奥胎内ダム(1555) 
新潟県胎内市下荒沢
胎内川水系胎内川
FP
82メートル
198.9メートル
10000千㎥/7700千㎥
新潟県土木部
2018年