2015年10月24日 広瀬ダム
2020年 6月23日
広瀬ダムは山梨県山梨市三富川浦の富士川水系笛吹川上流部にある山梨県県土整備部が管理する多目的ロックフィルダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、笛吹川の洪水調節、笛吹川流域果樹園地への灌漑用水の供給、甲府市・山梨市・笛吹市・中央市・市川三郷町への上水道用水の供給、山梨県企業局広瀬・天科・柚ノ木各発電所での発電を目的として1975年(昭和50年)に竣工しました。
発電所については広瀬ダムの建設にともない従来当流域で発電を行っていた東京電カ笛吹川第1、第2、第3各発電所(合計最大発電力8800キロワット)を買収廃止する一方、新たに山梨県企業局広瀬発電所(最大3200キロワット)、天科発電所(最大1万3300キロワット)、柚ノ木発電所(最大1万7900キロワット)を新設し発電能力の大幅な増強が行われました。
さらに2007年(平成19年)には支流の琴川に琴川ダムが竣工、同ダムと連携した洪水調整が行われるようになり笛吹川流域の防災能力は大きく強化されています。
山梨市中心部から国道140号線(通称雁坂みち)を北上、川浦温泉を過ぎると正面に広瀬ダムが見えてきます。
まずはダム下へ向かいます。
広瀬ダム手前の国道140号線の洞門左手の側道に入ると正面に洪水吐斜水路が現れます。
ダムの堤体は地山を挟んだ左岸側(向かって右手)にあり、フィルダムで散見される堤体と洪水吐導流部が地山を挟んで離れているタイプのダムです。
(2020年6月23日)
さらに進むとロックフィル堤体直下に到着します。
堤体は左岸(向かって右手)が不規則に湾曲しています。
(2020年6月23日)。
国道140号に戻り雁坂トンネル方向に向かうとすぐにダムサイトの広瀬湖駐車場に到着します。
駐車場の目の前に山梨県企業局広瀬発電所への取水塔。
左手を向くと堤体の先に常用洪水吐となる2門のローラーゲート。
(2020年6月23日)
洪水吐とインクラインの並び
昭和40年代の着工と言うことで、洪水吐は横越流式洪水吐とゲート式の併用です。
(2020年6月23日)
インクラインをズームアップ。
天端から見た下流面
白い建屋は山梨県企業局広瀬発電所、2枚目の写真は発電所右手から撮ったものです。
右岸から見た下流面
リップラップは不規則に湾曲しているので、なんとなく不安定に見えてしまいます。
(2020年6月23日)
ダム湖と取水塔
広瀬湖と命名されたダム湖は総貯水容量1430万立米で山梨県内最大の人工貯水池です。
ダムの奥に聳えるのは埼玉県との境界をなす破風山でその右手が日本三大峠の一つ雁坂峠。
洪水吐導流部
2門のスライドゲートからの導流部に右手から横越流式洪水吐の導流部が合流、この先が1枚目の写真の斜水路となります。
(2020年6月23日)
非常用の横越流式洪水吐。
(2020年6月23日)
ダム右岸は公園として整備されています。
ローラーゲートは高さ15.6メートル、幅6.525メートルの巨大ゲート
ピアには切妻家形の建屋が乗り、プチカントリーエレベーターと言った風。
(追記)
広瀬ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
0971 広瀬ダム(0022)
山梨県北杜市三富川浦
富士川水系笛吹川
FAWP
R
75ートル
255メートル
14300千㎥/11350千㎥
山梨県県土整備部
1974年
◎治水協定が締結されたダム