2016年6月12日 下条川ダム
2023年7月21日
下条川(げじょうがわ)ダムは新潟県加茂市下条の一級河川信濃川水系下条川にある新潟県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨を契機に新潟県は県所管各河川の抜本的な治水対策に乗り出します。
下条川では羽越豪雨発災直後に治水ダム建設が採択され、1973年(昭和48年)に下条川ダムが竣工しました。
下条川ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで下条川の洪水調節(最大毎秒100立米の洪水カット)を目的としています。
建設に際しては建設省(現国交省)により『地域に開かれたダム』の指定を受け、ダム湖に生態系の保護を図るためのビオトープや遊歩道が整備され自然学習館やキャンプ場が設けられました。
また湖岸は広く開放され新潟県有数のヘラブナ釣りスポットとなっているほか、桜の名所としても知られています。
下条川ダムには2016年(平成28年)6月に初訪、2023年(令和5年)7月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載してあります。
左岸下流から
堤高31メートル、堤頂長138メートルの小ぶりな堤体。
見た目の高さは20メートルほどで、堤高31メートルは基礎岩盤からの高さとなります。
(2023年7月21日)
豪雪地帯らしくピアは被覆され、落雪のためゲートハウスの屋根はダム湖側に傾斜しています。
(2023年7月21日)
親柱のダムプレート。
(2023年7月21日)
天端は4トン未満の車両が通行可能。
ゲート部分は下流側にクランクしています。
(2023年7月21日)
天端から減勢工を見ろします。
左手は放流管(常用洪水吐)となるコンジットバルブ。
治水専用ダムのため、普段は流入量はここからそのまま放流します。
(2023年7月21日)
アングルを変えて
右手に溜まっている水が謎?
(2023年7月21日)
雪対策でプラスチックカバーで覆われたピアの階段。
夏は暑そう。
(2016年6月12日)
照明には寒椿の装飾。
このデザイン、同じ新潟県内のヒメサユリの装飾がある大谷ダムの照明と似ています。
(2016年6月12日)
上流面
対岸に管理事務所。
(2016年6月12日)
放流設備は非常用洪水吐となるクレストローラーゲート1門と放流管のコンジットバルブ1条。
総貯水容量153万立米、うち有効貯水容量110万立米すべてが洪水調節容量となる治水専用ダムです。
ダム湖には堆砂容量分43万立米が貯留され、これで常時満水位。
(2016年6月12日)
事務所の右手には小さな艇庫とインクライン。
(2016年6月12日)
上流からゲートをズームアップ
主ゲートの左手がコンジットバルブの取水口。
(2016年6月12日)
ダム建設に合わせて環境整備が進められ、学習館やビオトープ、親水護岸などが設置されました。
この吊橋もその一つですが、老朽化により立ち入り禁止。
再訪時は平日でしたが湖岸では多くの釣り師が糸を垂れていました。
(2023年7月21日)
(追記)
下条川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
0763 下条川ダム(0457)
新潟県加茂市下条
信濃川水系下条川
F
G
31メートル
138メートル
1530千㎥/1100千㎥
新潟県土木部
1973年
◎治水協定が締結されたダム