ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大谷川ダム

2024-02-12 08:00:55 | 千葉県
2017年1月28日 大谷川ダム
2024年1月26日
 
大谷川(だいやつがわ)ダムは千葉県南房総市山田の平久里川水系大谷川にある南房総市水道局が管理する上水道用水目的の重力式コンクリートダムです。
房総半島南部、南総里見八犬伝の舞台として有名な富山町では昭和40年代より町営水道事業開設がすすめられ、その上水用水源として1974年(昭和49年)に竣工したのが大谷川ダムです。
同時にダム直下に富山浄水場が完成し、同年より給水が開始されました。
その後2006年(平成18年)に安房郡6町1村が合併して南房総市が誕生、旧富浦町と旧三芳村を除く水道事業は南房総市水道局に統合されました。

大谷川ダムには2017年(平成29年)1月に初訪、2024年(令和6年)1月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ掲載日時を記載しています。

ダム下流には富山浄水場があり、関係者以外は立入禁止。
よってダム下からダムを見ることは叶いません。
初訪時はダム左岸からの見学にとどまりましたが、再訪時は浄水場の職員様の許可を得てダムを真下から撮影できました。
上水ダムなので洪水吐は自由越流頂1門だけ。
ダムの前の木が邪魔・・・・
(2024年1月26日)


ちょっと位置をずらして
ゲート上の管理橋には赤い鉄骨桁。
向かって右手(左岸側)の建屋はバルブ室。
ちょっと見づらいですがバルブ室の下から手前に黒い鉄管がありこれが浄水場へのライン。
(2024年1月26日)


ダムと同時に建設された富山浄水場
普段は嘱託職員さんが一人常駐しています。
(2024年1月26日)


ここから先はすべて2017年1月28日の写真となります。
左岸から。
昭和30~40年代のダムらしくゲート上は一段高くなっています。


天端への立ち入り許可はもらっていないので、左岸から見学するのみ。


上水ダムの取水設備といえば円形が多いのですがここは四角。
ゲート操作装置が3本見えます。

かなり色あせたダムの銘板。
竣工は昭和49年3月20日
事業者とすべきところ企業者になっていますが当時の富山町。
施工は間組(現安藤ハザマ)。


天端をズームアップ。



 
左岸上流から
ここから見えるのは落葉期のみでしょう。
南房総ではおなじみですが地質的な影響で貯水池はかなり濁っています。
浄水場での処理が大変そう。

 
再訪時は予定に入れておらず時間が余ったの急遽訪問。
当然事前の見学要請はしておらず、ダムマイスターの身分証明書を提示してダム下からの写真のみ撮影させていただきました。

昨今の人口減少、水道施設の老朽化等に対処するために2015年(平成27年)に千葉県が示した「県内水道の統合・広域化の進め方(取組方針)」に従い、安房地区の鋸南町・三芳水道事業団・南房総市・鴨川市各水道事業者の事業統合に向けた調整が進められており、早晩事業の統合が実施される見込みです。
 
2992 大谷川ダム(0815)
千葉県南房総市山田
平久里川水系大谷川
25.5メートル
50メートル
190千㎥/180千㎥
南房総市水道局
1974年