ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

浅虫ダム

2016-05-06 09:30:00 | 青森県
2016年4月30日 浅虫ダム
 
浅虫ダムは青森県青森市浅虫の浅虫川にある青森県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
浅虫温泉街を貫流する浅虫川は流路延長5キロの二級河川ですが、豪雨の際には水位が急増し市街地での洪水被害が頻発していました。
これを受け2002年(平成14年)に市街地直上に建設されたのが浅虫ダムです。
浅虫ダムは国交省の補助を受けて建設された補助治水ダムで、浅虫川の洪水調節と安定した河川流量の維持を目的としています。
洪水調節についてはダムと同時に建設された洪水吐トンネルにより直接青森湾に放流され、水をダムに貯め込むのではなく洪水吐トンネルで逃すというシステムです。
一方でダム建設地点地下には浅虫温泉の源泉となる地下水脈があり、これを保護するため基礎岩盤に打ち込まれた杭によってダム本体を支えるフローティング形式の重力式コンクリートダムとなっています。
また堤高9メートルとダムの要件を満たしていませんが、建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムのため堤高如何に関わらず河川法上のダムとなります。
 
堤高わずか9メートルの堤体と大きな減勢工
見た目はわかりませんが、このコンクリート堤体は基礎岩盤に打ち込まれた杭で支えられています。
 
減勢工を真横から。
 
右岸から
手前は河川維持放流路。
 
左岸側のトンネル式洪水吐。
洪水時は溢れた水がここから海に放流されます。
 
アングルを変えて
ここから見ると青土ダムのようなダム穴に見えます。
 
上流の貯砂ダム。
 
ダム下流側にあるモニュメントです。
羊のように見えますがカモシカだそうです。
 
こちらはホタル
ダム湖がホタル浅虫湖と呼ばれるようにホタルの名所です。
ただリアリすぎて、ゴキブリにも見えてしまう。
 
浅虫温泉を洪水から守るため洪水を洪水吐トンネルから海へ逃すという独特のシステムが採用されています。
また構造的にも浅虫温泉の泉質に影響を与えないよう地下水脈の維持に配慮した工法が採用されました。
 
(追記)
浅虫ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0222 浅虫ダム(0333)
左岸 青森県青森市浅虫山下
右岸       浅虫内野
浅虫川水系浅虫川
FN
9メートル
215メート
300千㎥/170千㎥
青森県県土整備部
2002年
◎治水協定が締結されたダム


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