2016年1月 9日 岩村ダム
2024年5月26日
岩村ダムは岐阜県恵那市岩村町富田の一級河川木曾川水系富田川にある岐阜県県土整備部が管理する多目的の重力式コンクリートダムです。
富田川は上流域が急流且つ土砂流出量が多いため出水が多く、抜本的な治水対策が求められていました。
一方、生活様式の近代化による水道需要増加を受け旧岩村町では水道事業整備のため安定した上水用水源の確保が課題となっていました。
こうした状況を受け岐阜県は1986年(昭和61年)に富田川最上流部への多目的ダム建設を採択し、1993年(平成5年)に本体工事着手、1997年(平成9年)に竣工したのが岩村ダムです。
岩村ダムは建設省(現国土交通省)の補助を受けた補助多目的ダムで、富田川の洪水調節(最大毎秒20㎥の洪水カット)、安定した河川流量の維持と既得灌漑用水への補給、岩村町(現恵那市岩村町)への浄水府道用水の供給を目的としています。
岩村ダムには2016年(平成28年)1月に初訪、2024年5月に再訪しました。
掲載写真はすべて再訪時のものとなります。
恵那市岩村町富田の国道363号線から富田川沿いの町道を約3キロ、車で10分ほど走ると岩村ダムに到着します。
途中でダム下に至る管理道路が分岐しますが関係者以外立入り禁止、下流からダムを見るすべはありません。
洪水吐はクレスト1門、オリフィス1門のゲートレスダム。
右岸ダムサイトの説明板。
同じくダムの竣工記念碑。
このほかダム湖の『三森山湖』と書かれた石碑があります。
天端は徒歩のみ開放。
高欄のプレート
『公共岩村多目的ダム』という表記が珍しい。
右岸の管理事務所
委託職員さんが常駐されています。
天端から減勢工を見下ろす。
減勢工左側にダムにビルトインされたに放流設備があり2門の放流バルブがら放流中。
『三森山湖』と命名されたダム湖は総貯水容量僅か18万立米
貯水池のサイズからてっきり生活貯水池ダムかと思っていましたが、事業採択が1986年(昭和61年)ということで正々堂々の補助多目的ダム。
ちなみに三森山はダムの東南東約1.4キロにある標高1101メートルの山で、ダムのすぐ上流が登山口となります。
左岸から下流面。
通常艇庫はダム湖畔にあるのですが、このダムはスペースの関係で左岸ダムサイトにあります。
上流面。
中央に選択取水設備、右奥は管理事務所。
上流から
取水設備建屋は変形六角形のちょっと特徴的な形。
ダムに向かう途中の道路わきにはこんな標石が。
恵那の岩村と聞けば真っ先に想起するのが『女城主の城』として知られる岩村城。
ダムから西方約2キロの山上にあります。
実は私の故郷は奈良県高取町で町内には高取城があります。
岩村城、高取城ともに日本三大山城の一つとなっており、その点で旧岩村町は非常に親近感を覚える町となっています。
(追記)
岩村ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
2952 岩村ダム(0177)
岐阜県恵那市岩村町富田
木曽川水系富田川
FNW
G
35.8メートル
144メートル
180千㎥/160千㎥
岐阜県県土整備部
1997年
◎治水協定が締結されたダム
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