ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

こまちダム

2024-05-21 08:00:00 | 福島県
2015年12月19日 こまちダム
2024年 4月15日
 
こまちダムは福島県田村郡小野町菖蒲谷の二級河川夏井川水系黒森川にある福島県土木部が管理する重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の小規模ダム事業である生活貯水池事業の補助を受けた補助多目的ダムとして2006年(平成18年)に竣工しました。
洪水時最大40立米/秒の洪水をカットして黒森川下流基準地点で40立米/秒の洪水調節を行うほか、安定した河川流量の維持と流域農地への不特定灌漑用水(既得灌漑用水)の補給、小野町への上水道用水を目的としています。 
『こまち』というダム名は、小野町が小野小町の生誕地という伝承に由来しています。
こまちダムには2015年(平成27年)12月に初訪、2024年(令和6年)4月に再訪しました。
掲載写真はすべて再訪時のものです。

小野町中心部から県道42号線を西進するとこまちダムに到着します。
越流高の異なる自由越流式洪水吐が3門並びます。
EL481の右岸(向かって左)2門が非常用洪水吐、EL479の左岸1門が常用洪水吐になります。


左岸ダムサイトが公園になっているほか、湖岸各所に公園が整備されています。
写真はダムサイトの公園。


左岸から
堤高37メートル、堤頂長150メートルの横長堤体で洪水吐は堤体右岸寄りにあります。

貯水池は『こまち湖』。


上流面


天端は徒歩のみ開放
堤体中央部上流側がバルコニーになっています。


左岸管理事務所
管理事務所部分は埋め立てられたようで、湖岸はロック材で護岸されています。


天端から減勢工を見下ろす
自由越流式洪水吐が横並びのため、減勢工は左右非対称
手前左手は放流設備、左奥は浄水場、左手最奥の円形施設は配水池。


放流設備をズームアップ
水位低下放流及び河川維持放流・不特定灌漑用水向け放流を行います。


手前が浄水場、奥が配水池
浄水場へは取水設備から直接送水されます。


貯水池の『こまち湖』は総貯水容量77万2000立米。
湖岸各所に公園が設けられています。


右岸から下流面。


右岸上流から
右から非常用洪水吐が2門、左に常用洪水吐1門、選択取水設備、水位計が並びます。


左岸湖岸にある巡視艇用の浮桟橋。


訪問時、福島周辺はどこも桜が満開でしたが、こまちダム湖岸公園はこぶしの花が満期。


(追記)  
こまちダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。 

3232 こまちダム(0124) 
福島県田村郡小野町菖蒲谷堂田
夏井川水系黒森川
FNW
37メートル
150メートル
772㎥/652㎥
福島県土木部
2006年
◎治水協定が締結されたダム 


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