ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

東金ダム

2016-01-25 10:00:00 | 千葉県
2016年1月24日 東金ダム
 
東金ダムは千葉県東金市松之郷の一級河川利根川水系十文字川にある水資源機構が管理する上水及び工水目的のアースフィルダムです。
1962年(昭和37年)に利根川水系は『水資源開発水系』に指定され水資源開発公団(現水資源機構)による総合的な水資源の開発と利用が進められることになりました。
一方、房総半島では東京湾岸部が京葉臨海工業地帯として急速に発展するにつれ人口が急増し工業用水、上水道用水の需要は拡大の一途をたどります。
しかし大河がない房総半島だけではこれらの水需要を賄うことは不可能で利根川にその水源を求めることになります。
1970年(昭和45年)に利根川上流ダム群や霞ケ浦を水源とし、利根川から約100キロの導水路により房総半島各所に都市用水を供給する『房総導水路』が着工され、1997年(平成9年)の『南房総導水路』完成により同事業は竣工しました。
房総導水路を通じ、京葉臨海工業地帯への工業用水、千葉市営水道・千葉県営水道・九十九里沿岸水道企業団・南房総広域水道企業団への上水道用水として最大毎秒8.4立米の都市用水の供給が可能となりました。

房総導水路概要図
(出典 水資源機構房総導水路管理所ホームページ)


しかし利根川の取水口から導水路南端の導水制御工までは最大で100メートル近い標高差があり、約100キロの導水路中に揚水機場が5か所、調整池ダムが2か所ある壮大な事業となっています。
そして1993年(平成5年)の長柄ダムに次いで、1995年(平成7年)に竣工したのが東金ダムで、房総導水路の需給ギャップを緩和する調整池として運用されるほか、九十九里沿岸水道企業団・南房総地域広域水道企業団・千葉県営水道向けの上水道用水容量が配分されています。
 
東金駅から県道301号線を進むと東金ダムダムサイトに到着します。
ダム湖を周回する管理道路は一般開放されており、駅から至近というロケーションもあり多くの市民がランニングやウォーキングを楽しんでいます。
堤体上流面はロックフィルになっており、敷き詰められた花崗岩が白く輝いています。
 
天端は歩行者のみ開放されています。
 
房総導水路の調整池ということで十文字川の流域面積は0.6平方キロに過ぎません。
 
下流面
さすが水資源機構のダム、綺麗に刈り払われています。
 
山武市郡広域水道企業団への取水棟。
 
洪水吐
 
下流から
洪水吐の導流部と十文字川が合流しています。
 
0678 東金ダム(0213)
千葉県東金市松之郷
利根川水系十文字川
WⅠ
28.3メートル
248メートル
2300千㎥/2200千㎥
水資源機構
1995年


コメントを投稿