2016年7月10日 上郷ダム
上郷ダムは左岸が山形県西村山郡朝日町常盤、右岸が同町大滝の一級河川最上川本流にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
芭蕉の句でも『さみだれを流して早し』と読まれた最上川ですが、支流では大正期より電源開発が進められたものの本流の発電所は1914年(大正3年)に稼働した旭発電所1基のみでした。
1951年(昭和26年)の電気事業再編成で新たに誕生した東北電力は高度成長による電力需要増加に対処するため各所で電源開発を進めます。
上郷ダムもその一つで1962年(昭和37年)に建設され上郷発電所で最大1万5400キロワットのダム式発電を行います。
上郷ダムは最上川本流にある唯一のダムです。
国道287号線を南下し朝日町中心街を抜けると右手に上郷ダム湖が見えてきます。
上郷ダム公園の標識に従って右に折れるとダム湖右岸に到着します。
ダムはローラーゲート5門装備、右手に取水ゲートが2門あります。
豪雪地帯ということでピアの管理橋は被覆されています。
左岸に回ります。
減勢部にはバッフルピアが並び、対岸委ダム式発電所の上郷発電所が鎮座。
天端は『関係者以外の車両の通行をご遠慮ください』と書かれていますが、実際には地元住民の生活道路として利用されているようです。
ダム湖
総貯水容量766万立米ですが堆砂が進み、有効貯水容量は189万立米。
減勢部のバッフルピア。
右岸の上郷発電所。
発電所を魚道が回り込みます。
発電用取水ゲート。
右岸には作業船が繋留され湖岸には流木処理施設があります。
(追記)
上郷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
0429 上郷ダム(0481)
左岸 山形県西村山郡朝日町常盤
右岸 同町大滝
最上川水系最上川
P
G
23.5メートル
166メートル
7660千㎥/1890千㎥
東北電力(株)
1962年
◎治水協定が締結されたダム
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