ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

浜砂ダム

2023-01-20 16:58:56 | 宮崎県
2022年11月20日 浜砂ダム
 
浜砂(はまご)ダムは宮崎県延岡市宮長町の一級河川五ヶ瀬川水系祝子川にある宮崎県企業局が管理する発電・工水目的の重力式コンクリートダムです。
祝子川では1972年(昭和47年)に県土整備部による祝子川総合開発事業により祝子ダムが竣工し、祝子川の治水のほか発電、工水供給が開始されました。
しかし、旭化成の企業城下町である延岡の電力・用水需要は増加の一途をたどり新たな水源確保が迫られます。
一方、祝子発電所の出力調整による祝子川の水位変動は下流の既得灌漑用水等に悪影響を与え、その改善が求められていました。
これを受け1992年(平成4年)に祝子ダム下流約8キロ地点に建設されたのが浜砂ダムです。
浜砂ダムは祝子発電所の出力調整による水位変動を緩和するとともに併設する浜砂発電所で最大2400キロワットのダム式発電を行います。
また有効貯水容量91万8000立米のうち23万立米が工水容量として配分されています。

 浜砂ダムは県道207号岩戸延岡線沿いにありますが、これが離合も困難な隘路の険道で運転には気を使います。
ダム便覧にはダム下流の発電所からの写真が掲載されていますが、今は発電所への管理道路入り口にチェーンが張られ立入禁止のため、下流側は県道から垣間見るのみ。
発電用ダムではよく見られる全面越流式ですが、トラス橋の天端は珍しい。
ダムでは群馬の坂本ダム(再)くらいしか思い浮かびません。


天端は車道になっており、対岸からは林道が続きますが入り口にチェーンが張られ関係車両以外は進入禁止。
路面がかなり畝っており、重量超過の車の進入が多いのかも?


上流から
越流はしていませんがほぼ満水。


県企業局による浜砂ダム・発電所建設事業の概要銘板。


水利使用標識。


発電用取水塔とダム湖
ダム湖は総貯水容量243万立米で細く長く上流に続きます。


減勢工。


左岸の浜砂発電所
下流の水位変動を抑えるため常時発電を行います。
放流口から減勢工に放流が見えます。


右岸から
鉄道の廃線跡のよう。


右岸のリムトンネル。


(追記)
浜砂ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3055 浜砂ダム(1948) 
宮崎県延岡市宮長町
五ヶ瀬川水系北川
IP
42.7メートル
86メートル
2430千㎥/918千㎥
宮崎県企業局
1992年
◎治水協定が締結されたダム


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