ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

洗馬丁溜池

2023-10-06 17:00:04 | 山形県
2016年9月 3日 洗馬丁溜池
2023年7月26日
 
洗馬丁(せんばちょう)溜池は山形県村山市白鳥の一級河川最上川水系樽石川左支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
河北町から村山市、大石田町にかけての最上川左岸段丘上では大正期以降の農地開拓に併せて多数の溜池が築造されましたが、洗馬丁溜池もその一つです。
現地記念碑によれば1934年(昭和9年)に当時の戸沢村村営事業により竣工とあり、その後1990年(平成2年)に県営ため池等整備事業による大規模改修が竣工しました。
ダム便覧ではこれを竣工年度としています。
当初の管理は戸沢土地改良区が、その後の土地改良区統合により現在は村山市西部土地改良区が管理を引き継ぎ、樽石川流域約230ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
洗馬丁溜池には2016年(平成28年)9月に初訪、2023年(令和5年)7月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。
 
国道347号線から樽石川沿いに県道樽石碁点線、さらに市道を約5キロ西進すると洗馬丁溜池への分岐点が現れます。
(2023年7月26日) 

 
ダートの林道を約500メートル進むと洗馬丁溜池が見えてきます。
堤高20.5メートル、堤頂長91.5メートル、細い谷を塞き止めた谷池です。
(2023年7月26日) 

 
道路が堤体を斜行して登ります。
(2023年7月26日) 

 
右岸のため池等整備事業竣工記念碑。
(2023年7月26日) 

 
天端には轍がありますが対岸で行き止まり
記念碑には『前刃金型』とあり傾斜コア型フィルダムとなります。
(2023年7月26日) 

 
右岸の横越流式洪水吐。
(2016年9月3日)

 
上流面はコンクリートで護岸
初訪時は水位が低く池の構造がよくわかります。
(2016年9月3日)

 
再訪時は直前の大雨で満水。
(2023年7月26日) 


総貯水容量11万2000立米の貯水池。
受益農地は230ヘクタールですが、当溜池だけで230ヘクタールの水田をすべて賄うのは困難で、あくまでも補給用水源という位置づけでしょう。
(2023年7月26日) 

 
左岸の斜樋。
(2016年9月3日)

 
同じアングルで再訪時。
(2023年7月26日) 

 
天端からダム下を望む。
受益農地は樽石川2キロ以上下流になります。
(2016年9月3日)

 
右岸から上流面。
(2016年9月3日)

 
斜樋機械室。
(2023年7月26日) 


斜樋から上流面。
(2023年7月26日) 

 
池下へのルートが見つからなかったので底樋管は確認できませんでした。

0414 洗馬丁溜池(0529)
ため池コード
山形県村山市白鳥
最上川水系樽石川左支流
20.5メートル
91.5メートル
112千㎥/112千㎥
村山市西部土地改良区
1934年竣工
1990年大規模溜池等整備事業竣工


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