ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

留山川ダム

2023-10-07 17:00:08 | 山形県
2016年7月10日 留山川ダム
2023年7月26日
 
留山川ダムは山形県天童市田麦野の一級河川最上川水系押切川右支流留山川にある山形県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
押切川はその名が示すように暴れ川で平成以降だけでも2度の洪水が発生する一方、灌漑期の渇水も多く安定した治水・利水対策が求められていました。
県は1990年(平成2年)に当地への治水ダム建設を採択、2011年(平成23年)に竣工したのが留山川ダムです。
留山川ダムは国交省の補助を受けて建設された補助治水ダムで、留山川及び押切川の洪水調節(最大毎秒75立米の洪水カット)、安定した河川流量の維持と既得灌漑用水への補給を目的としています。
留山川ダムには2016年(平成28年)7月に初訪、2023年(令和5年)7月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。
 
天童市街から県道281号を天童高原方面に進み、ダムの案内板に従って右手の枝道に入ると留山川ダムが見えてきます。
クレスト自由越流頂2門、自然調節式オリフィス1門のゲートレスダムで、導流壁はV字の漸縮型。
再訪時はオリフィスから越流中。
(2023年7月26日) 

 
初訪時もオリフィスから越流。
再訪時は道端の草が伸び、このアングルでの撮影はできなくなっていました。
(2016年7月10日)

 
堤高46メートル、堤頂長115メートルの小ぶりな堤体。
(2016年7月10日)

 
左岸ダムサイトの記念碑兼説明石板。
(2023年7月26日) 


天端は立ち入り禁止ですが、偶々駐在した職員さんにお願いしたらゲートを開けていただけました。
(2023年7月26日) 


竣工記念の銅板。
(2023年7月26日) 


天端から
左岸は放流設備。
訪問直前の大雨で水位が上がり利水放流のほかオリフィスからも越流しています。
(2023年7月26日) 

 
天留(てんりゅう)湖と命名されたダム湖は総貯水容量は112万立米
これで常時満水位。
(2023年7月26日) 
 
天端のほか管理事務所の中の定礎も見せていただきました。
(2023年7月26日) 


超広角で上流面と管理事務所をまとめて撮影。
(2016年7月10日)

 
さらに上流から
いかにもゲートレスダムといった眺め。
(2023年7月26日) 

 
このシャフトの下に取水設備があります。
(2023年7月26日) 


ダム建設に先立ち留山川では4基の砂防ダムが建設されました。
こちらは留山第4ダムの石碑。
(2023年7月26日) 


現在は貯砂ダムとして使用されています。
(2023年7月26日) 


ダム建設に併せて周辺整備が行われ、ダム湖上流には市民の広場が建設されました。
写真は市民の広場に建つ3基の記念碑。
広場は適宜整備されているようですが、人気はなく石碑も草に埋もれ気味。
(2023年7月26日) 


(追記)
留山川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3200 留山川ダム(0476)
山形県天童市田麦野
最上川水系留山川
FN
46メートル
115メートル
1120千㎥/1000千㎥
山形県県土整備部
2011年
◎治水協定が締結されたダム


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