ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

舟谷池

2021-12-04 20:00:00 | 高知県
2021年11月22日 舟谷池
 
舟谷池は高知県香美市土佐山田町船谷にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1913年(大正2年)に舟谷地区の事業で竣工と記されている一方、現地記念碑には事業者として『舟谷池耕地整理組合』の名があります。
記念碑の内容から起源は江戸期に遡り大正期に受益農家の持ち出しで改築されたのは間違いなさそう。
一方ダム便覧には経緯度が記載されていますが位置未確認となっています。竣工記念碑に『舟谷池』の名がありここが舟谷池なのは間違いないでしょう。
一方、ため池データベースでは堤高14.8メートルとなっておりダムの要件を満たしていません。

県道371号線を北上し、工業団地の突き当りの隘路を北に詰めると舟谷池に到着します。


左岸に洪水吐導流部があり、


減勢工にはシュートブロック、バッフルブロック、エンドシルの3点セット。


こちらは右岸ダム下にある底樋管。


堤体を斜行して道路が登ります。
標識を見ると管理者は『舟谷池田役組合』、田役組合は水利組合と同意です。


天端には轍が残ります。


総貯水容量は便覧12万立米、ため池データベース11万5000立米。


左岸の洪水吐はラビリンス越流頂。


アングルを変えて。


ついつい何枚も撮っちゃいます。


上流面中ほどに斜樋があります。


湖畔の記念碑。
事業者として舟谷耕地整理組合の名があるので、上記『舟谷池田役組合』の標識と併せてここが舟谷池であることは間違いないでしょう。
碑文によれば池の起源は江戸初期の正保2年(1645年)に遡り、大正期に耕地整理組合が設立され増築が行われたと刻されています。
ただし増築は『大正ニ年十月二十日起工、三年四月十日竣工』となっており、これを竣工年度とするなら便覧の1913年とは1年ずれることになります。


2296 舟谷池 (1755) 
ため池コード 392120002 
高知県香美市土佐山田町船谷 
物部川水系舟谷川 
 
 
15メートル(ため池データベース 14.8メートル 
64メートル(ため池データベース 94) 
120千㎥/120千㎥(ため池データベース 115千㎥) 
舟谷池田役組合 
1913年(ダム便覧) 1914年(現地記念碑) 


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