ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

犬神ダム

2015-12-22 09:00:00 | 福島県
2015年12月19日 犬神ダム
 
犬神ダムは福島県白河市表郷金山の一級河川阿武隈川水系社川右支流黄金川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には福島県の事業で1971年(昭和46年)に竣工と記されており、県営かんがい排水事業等で建設されたものと思われます。
管理は社川沿岸土地改良区が受託しています。
白河市表郷の国道289号線から黄金川沿いの市道を南下し犬神集落を抜けると犬神ダムが現れます。
 
基部は石積みの擁壁、堤体は犬走を挟んだ2段構成で奇麗に草が刈られています。
堤高32.4メートルとアースフィルにしてはなかなかの高さで、溜池ではなく立派な農業ダムと言った風。


左岸ダム下には隧道から二つの吐口が並んでいます。
右手は洪水吐導流部、左手は斜樋からの底樋樋門。


アングルを変えて
農業用ダムで洪水吐と底樋の隧道の吐口が並列するのは非常に珍しい。


左岸の横越流式洪水吐。

 
洪水吐導流部の隧道呑口。
ここから上記2枚目、3枚目の写真へと続きます。


天端直下は犬神の集落。
もとは茅葺と思しき赤いトタン屋根が並び、『犬神』という地名や黄金川と言う河川名が何やら横溝正史のおどろおどろしい世界を髣髴させます。


貯水池は総貯水容量120万6000立米
本州の農業用アースフィルダムとしてはなかなかのサイズ。


未舗装の天端と下流面。

 
上流面はロック材で護岸
左岸に管理事務所で斜樋があります。


管理所と斜樋。

 
(追記)
犬神ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0513 犬神ダム(0129)
福島県白河市表郷金山
阿武隈水系黄金川
32.4メートル
128.8メートル
1206㎥/1087㎥
社川沿岸土地改良区
1971年
◎治水協定が締結されたダム


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