ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

水上ダム

2017-05-24 05:00:00 | 長野県
2015年11月23日 水上ダム
2017年 5月21日
 
水上ダムは松本市北東部の旧四賀村の信濃川水系間川左支流水上沢川に建設された長野県営の多目的重力式コンクリートダムです。
会田川は豪雨のたびに流域に洪水被害をもたらす一方、この地域は内陸性気候のため年間を通して降水量が極めて少なく渇水による干ばつや取水制限が頻発していました。さらに山間部でも下水道や簡易下水道の普及で生活用水の需要の増加が見込まれることもあり新たな水源確保が課題となっていました。
そこで長野県が2000年(平成12年)に建設したのが水上ダムで、会田川流域の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権としての灌漑用水への補給、旧四賀村地域への上水道用水の供給を目的としています。
ダム湖の総貯水容量は27万6000立米と非常に小規模で、いわゆる生活貯水池として建設されました。
 
松本市街から国道143号を青木村方面に進むと『横沢バス停』に水上ダムを示す標識があります。
これに従って右折すると集落のすぐ上に水沢ダムが現れます。
まずはダム下から
クレストは非常用の自由越流式洪水吐が3門、その下に常用洪水吐のオリフィスゲートが1門のゲートレスダムです。
 
 
右岸ダムサイトに管理事務所や竣工記念碑、駐車場があります。
 
右岸から下流面。
 
管理事務所。
管理事務所の壁にはコンクリートの凹凸が施されぱっと見大谷石の石造り風洋館に見えるデザイン。
 
ダム湖は溜池サイズ。
 
天端は歩行者のみ通行可能。
 
減勢工
右岸に利水放流設備があり河川維持放流が行われています。
 
上流面
手前は取水設備。
 
上流から。
 
初回訪問時はコンデジでの撮影となったので、掲載した写真はすべて2度目の訪問時のものに差し替えました。
 
 追記
水上ダムには15万立米の洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに10万3000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3012 水上ダム(0065)
長野県松本市中川
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
信濃川水系水上沢川
FNWG
38メートル
171.5メートル
㎥/㎥
長野県建設部
2000年
◎治水協定が締結されたダム


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