ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

下赤ダム

2023-01-19 08:33:47 | 宮崎県
2022年11月20日 下赤ダム

下赤ダムは宮崎県延岡市北川町川内名の一級河川五ヶ瀬川水系北川にある大分県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
高度経済成長や大分臨海工業地帯造成事業着手による電力需要を賄うため、大分県電気局(現企業局)は昭和20年代後半より積極的な電源開発を展開します。
北川水系では県土木建築部による北川総合開発事業に参加し北川ダムおよび北川発電所とともに建設されたのが下赤ダムです。
下赤ダムは北川発電所の出力調整による水位変動を緩和するための逆調整池として北川ダムと同じ1962年(昭和37年)に竣工し、併せて併設する下赤発電所で最大1700キロワットのダム式発電を行っています。
注目すべきは大分県企業局の北川発電所及び下赤ダムが県境を越えた宮崎県で運用されている点で、地方自治体が運用する公営発電施設が県外で稼働しているのは全国でここだけです。

北川ダムから国道326号を約7キロ、10分弱で下赤ダムに到着します。
ダムのすぐ下流、地元公民館の広場にはロボット兵や王蟲などジブリ関連の象が多数設置され、インスタ映えスポットとして人気スポットになっています。
ジブリの地元、三鷹市民としてはこれは見ないわけにはゆきません。
天空の城ラピュタに登場するロボット兵。


王蟲。


ほかにも多々設置されていますが、ダムの見学に戻りましょう。
広場の裏手から河原に下りダムと正対できます。
向って右手が下赤発電所
放流設備は左岸にローラーゲート3門、右岸は鋼製起伏ゲートを備えた自由越流頂2門。


ピアがにょきにょきしており一見中国四国型のよう見えますが?
ゲート巻き上げ機がピアのトップにあり中国四国型とは構造が異なります。
一番右手のゲートにはフラッシュボードがついています。


ゲート直下は水叩きになっていますが、右岸側の叩きは厚く一段高くなっています。
こちらには国道が走っており、護岸や洗堀防止目的でしょう。
また天端はなく、鉄骨トラスの管理橋が渡されています。


右岸側自由越流頂の鋼製起伏ゲート。


堤体右岸側が屈曲し『カド』に。


水利使用標識
宮崎県にあるのに水利使用者名が大分県と言うのが味噌。


ダム湖は総貯水容量48万立米
奥に北川発電所の水圧鉄管が見えます。


上流面。


左手に取水用ゲートが見えます。
実際の取水口は水中に没して見えません。


上流から遠望。


(追記)
下赤ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

2827 下赤ダム(1946)
宮崎県延岡市北川町川内名
五ヶ瀬川水系北川
17.8メートル
153メートル
480千㎥/300千㎥
大分県企業局
1962年
◎治水協定が締結されたダム


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