ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

舟郡ダム

2020-12-17 12:21:42 | 山口県
2020年11月24日 舟郡ダム
 
舟郡ダムは山口県下関市豊浦町川棚の川棚川水系江良川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
下関市豊浦町は大河がなく渇水による干ばつが頻発し、安定した農業用水源確保は周辺農家の長年の悲願となっていました。
舟郡ダムは農水省の補助を受けた県のかんがい排水事業により2001年(平成13年)に竣工し、豊浦町の236ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
ダムの管理は運用開始当初は豊浦町が受託していましたが、その後の市町村合併により現在は下関市が受託しています。
 
舟郡ダム入り口に県営かんがい排水事業豊浦地区舟郡ダムの大きな案内板が設置されています。
 
 
県道から舟郡ダムのロックフィル堤体が一望できます。
ダム建設に合わせ、農村整備事業によりダム周辺が公園施設として整備されました。
ダム下は広場になっており駐車場とトイレが設置されています。
 
 
右岸ダム下の放流設備。
利水放流管のほか、常用洪水吐としてバルブも装備しています。
 
左岸に余水吐があります。
 
天端に上がります。
左岸から下流面
リップラップには僅かに草が生えていますが、総じてきれいに整備されています。
 
天端は車両通行禁止。徒歩はOKで貯水池を周回する周遊路になっています。
 
上流面、こちらもロック材で護岸されています。
対岸(右岸)に管理事務所と斜樋があります。
 
左岸の横越流式余水吐。
 
天端から余水吐を望みます。
 
管理事務所と斜樋をズームアップ。
 
ダム湖は総貯水容量54万立米。
立派なダムに比べたら意外に小さな貯水池。
道路が周回しており歩いて一週でき、朝夕は周辺住民がウォーキングをするようです。
 
天端から
ダム下に広場と駐車場があり、響灘に浮かぶ厚島が遠望できます。
 
ズームアップ
種田山頭火や世界的ピアニストのアルフレッド・コルトーが絶賛した景色が広がります。
 
完成から20年近くたちますが、ダム周辺は綺麗に整備され清潔感に満ちたダムです。
なによりも天端からの眺めは素晴らしく、海が見えるダムとしては屈指の眺めだと思います。
 
(追記)
舟郡ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3047 舟郡ダム(1607)
山口県下関市豊浦町川棚
川棚川水系江良川
28メートル
221メートル
540千㎥/522千㎥
下関市
2002年
◎治水協定が締結されたダム


コメントを投稿