ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

山の口ダム

2020-12-16 12:14:55 | 山口県
2020年11月23日 山の口ダム
 
山の口ダムは山口県萩市紫福の大井川水系山の口川源流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農水省の補助を受けた県の農村基盤総合整備パイロット事業により1984年(昭和59年)に竣工しました。
運用開始後は211.8ヘクタールの農地に灌漑用水および営農飲雑用水の補給を行っています。
管理は運用開始当初は当時の福栄町が受託していましたが、その後の市町村合併により現在は萩市が引き継いでいます。
2018年(平成30年)に河川維持放流を利用した山の口ダム小水力発電所が建設され大晃機械工業(株)を発電事業者として最大40キロワットの発電を行っています。
 
山の口ダムは『世界遺産大板山たたら製鉄遺跡』手前1キロにあります。
農業用コンクリートダムらしく、洪水吐は自由越流式クレストゲート2門だけ
ダム下右岸に放流設備と2018年(平成30年)に増設された小水力発電所があります。
 
減勢工のエンドシル。
 
右岸から下流面。
堤体に白いパイプが見えますが、これは小水力発電用に新たに追加されたルート。
 
天端入口はロープが張られており歩行者のみ立ち入り可能。
 
トタン張りの白い取水設備。
 
天端から
減勢工右手は放流設備と小水力発電所。
放流設備にはパイプが2本。揚水設備かとも思いましたが受益農地は山の口川下流にあるのでポンプアップする必要はなさそう。
右手の建屋はサージタンクかもしれません。
 
総貯水容量69万立米のダム湖。
この上流にたたら製鉄遺跡があります。
 
ダム下の施設。
やはり放流設備が気になります。
 
上流面。
取水設備手前に発電用のパイプが見えます。
発電所増設にあたり、新しいルートでパイプが敷設されたようです。
 
追記(追記)
山の口ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
2094 山の口ダム(1606)
山口県萩市紫福
大井川水系山の口川
40.2メートル
103メートル
690千㎥/583千㎥
萩市
1984年
◎治水協定が締結されたダム


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