ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

浄土寺川ダム

2016-11-11 10:57:49 | 福井県
2016年11月5日 浄土寺川ダム
 
浄土寺川ダムは福井県勝山市勝山の九頭竜川水系浄土寺川にある福井県営の多目的重力式コンクリートダムです。
勝山市の標高1357メートルの法恩寺山に源を発し西進したのち勝山市中心街を横断して九頭竜川に注ぐ浄土寺川は古くから流域に洪水被害をもたらし、抜本的な洪水対策を求める声が高まっていました。
一方バブル期のリゾート開発熱の高まりを受けて浄土寺川源流部でのスキー場新設を中心とした大規模リゾート(スキージャム勝山)開発が決まり、森林伐採等による土砂流出量増加及び保水力低下による浄土寺川既得取水権への補給不足への対応、いわゆる防災調整池が必要となってきました。
そこで福井県は1988年(平成元年)に浄土寺川総合開発事業を策定、浄土寺川への多目的ダム建設を決定しました。
まず流出量増大に対応するため本体工事に先駆け1996年(平成8年)にダム建設予定地上流に貯砂ダムが完成、ついで2000年(平成12年)より本体工事が着手され、2008年(平成20年)に浄土寺ダムが竣工しました。
浄土寺川ダムは浄土寺川の洪水調節、既得取水権として流域への灌漑用水及び勝山市への冬季融雪用水の補給と暗転した河川流量の保持、勝山市への新規上水道用水供給を目的としています。
ダム建設に当たっては周辺環境への配慮からシビックデザインが採用され、ダム下流面にはスリットの入った特徴的なデザインが施されています。
 
勝山市街から国道157号を北上するとすぐに浄土寺川ダムへの標識が現れます。これに従って右折すると浄土寺川ダムに到着します。
右岸から。
 
シビックデザインが採用され堤体に縦に入ったスリットが入った特徴的なデザインとなっています。
 
減勢工と利水放流設備建屋。
豪雪地帯ということでエレベーターから建屋への通路はコンクリートで被覆されています。
 
ダム湖
奥に見えるのは法恩寺山、東急勝山スキージャムのゲレンデです。
浄土寺川はこの大規模スキーリゾート開発に伴う保水力低下による流出量増加に対応する防災調整池の機能も持っています。
 
天端は車両通行禁止
左手が管理事務所、右手は取水設備操作室とオリフィスゲート操作室。
 
河川維持放流が行われています。
 
左岸から下流面。
 
上流面
左はオリフィスゲート 右手は取水設備 右端に船着き場の桟橋があります。
 
ダム湖上流から。
 
堤体直下から。
 
ダム湖上流には堤高22メートルの立派な貯砂ダムがあります。
1996年(平成8年)にダム本体に先駆け完成しました。
スキーリゾート建設による土砂流出量増加に対応しています。
 
陰影が大きく撮影しずらい時間だったのが残念。
 
 
上流から。
 
天端。
 
魚道もあります。
 
浄土川ダムはダム巡りを始めて記念すべき700基目のマイルストーンになりました。
 
3038 浄土寺川ダム(0700)
福井県勝山市村岡町浄土寺
九頭竜川水系浄土寺川
FNW
72メートル
233メートル
2160千㎥/1880千㎥
福井県土木部
2008年
◎治水協定が締結されたダム


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