ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

牛頸ダム

2017-10-05 12:53:21 | 福岡県
2017年9月20日 牛頸ダム
 
牛頸ダムは福岡県大野城市牛頸の御笠川水系左支流牛頸川上流部にある福岡県県土整備部が管理する治水目的のロックフィルダムです。
建設省の補助を受けて建設された補助治水ダムで、牛頸川および御笠川の洪水調節、両河川の安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的として1991年(平成2年)に竣工しました。
水道事情が苦しい福岡県にあっては数少ない上水道目的のない県営ダムで、ダムの完成により福岡のベッドタウンとして急速に宅地化が進んでいた御笠川及び牛頸川流域の治水能力は大きく向上しました。
 
ダム建設に合わせて周辺一帯は大野城いこいの森として整備が行われ、中央公園や水辺公園、さらに牛頸川源流部にキャンプ場などが設けられ筑紫地区有数のレクリエーションエリアを形成しています。
またダム湖上流はホタルの生息地としても知られています。
 
県道505号線に牛頸ダムへの標識があり、これに従って南に折れると牛頸ダムが見えてきます。
管理事務所への道が洪水吐減勢工を跨いでおり、ここが下流からの展望ポイントとなります。
 
リップラップには草木が茂り、一見しただけではロックフィルダムと見分けがつかなくなっています。
 
右岸の横越流式洪水吐
写真ではちょっとわかりづらいですが、洪水吐の奥の小さな穴が常用洪水吐になります。
 
導流部は大きく湾曲しながら斜水路へと続きます。
 
 
上流面
こちらもずいぶん草木が茂っています。
 
天端は車両進入禁止。
 
ダム下は芝生の公園で東屋もあります。
 
洪水吐脇の管理事務所
事務所からはインクラインと斜樋が並んでいます。
 
通称大野貯水池と呼ばれるダム湖は総貯水容量228万立米。
治水ダムですが、不特定利水容量分が貯水されています。
 
ダムのすぐ下流には福岡地区水道企業団の牛頸浄水場がありますが、牛頸ダムと水のやり取りはありません。
 
追記
牛頸ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2440 牛頸ダム(1135)
福岡県大野城市牛頸
御笠川水系牛頸川
FN
 
52.7メートル
383メートル
2280千㎥/2100千㎥
福岡県県土整備部
1998年
◎治水協定が締結されたダム


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