ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大津呂ダム

2022-08-25 10:00:00 | 福井県
2022年7月26日 大津呂ダム
 
大津呂ダムは左岸が福井県大飯郡おおい町野尻、右岸が同町山田の佐分利川水系大津呂川源流部にある福井県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。 
大津呂川は流路延長3.4キロ、流域面積4.75平方キロの小河川ですが、古くから流域の水源として利用される一方洪水や干ばつが多く抜本的な治水・利水対策が求められていました。
福井県は建設省(現国交省)による小規模ダム補助事業である
生活貯水池事業を活用し大津呂川への多目的ダム建設を採択、2011年(平成23年)に竣工したのが大津呂ダムです。
大津呂ダムは大津呂川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、おおい町への上水道用水の供給を目的としています。
 
ダム下への入り口にはゲートがあり原則立ち入り禁止ですが、今回は職員さんの許可を得て写真を撮らせていただきました。
クレスト自由越流頂1門、自然調節式オリフィス1門のシンプルなゲートレスダム。


左岸ダムサイトから
洪水吐左岸側が下流側に折れた『カド』のあるダム。


高い位置にある左岸の林道から超広角で。


上流面
コンクリートを見と常時満水位であるEL93.5メートルまで濡れた跡がありますが、訪問時は水位がぐっと下がり貯水率はかなり低くなっています。


総貯水容量はわずか48万5000立米。
水位が下がったおかげで普段水中にある仮締切が姿を現しています。
運用開始後は上流の砂防ダムともども貯砂ダムの役割を果たしているようです。


屈曲した天端。


定番の『カド』。


減勢工。


写真右下は浄水場。
正面高台にあるのが管理事務所。


大津呂ダムで目立つのがカッパの頭のような放流設備とRを多用した導流壁のカーブ。
導流壁については直前に訪問した河内川ダムとも共通するデザイン。
調べると同じニュージェックさんの設計でした。


右岸から上流面
ダムが折れているので独特の眺めになります。


左岸から伸びるのは巡視艇繋留施設。


上流から遠望。


小ぶりな生活貯水池ダムですが、カドやRを多用した導流壁のデザインなどなかなか見どころの多いダムでした。

3039 大津呂ダム(1863)
左岸 福井県大飯郡おおい町野尻
右岸         同町山田
佐分利川水系大津呂川
FNW
40.6メートル
158.5メートル
485千㎥/430千㎥
福井県土木部
2011年


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