2018年10月8日 奥津発電所調整池
奥津発電所調整池は岡山県苫田郡鏡野町奥津川西にある中国電力奥津発電所の上部調整池です。
1933年(昭和8年)に当時の中国合同電力によって建設され、日本発送電による接収を経て戦後は中国電力が管理運用を行っています。
当調整池から奥津発電所に水圧鉄管が伸び、有効落差115メートルを利用して最大7400キロワットの発電を行っています。
調整池の堤体はいわゆるバットレスで3メートル間隔の扶壁と水平梁によるグリッドで45度に傾斜した上部水槽の外周壁体を支えています。
堤高14メートルのため河川法上のダムとはなっていませんが、バットレスの堤体が2箇所で屈曲しており、『カド』のあるバットレスとなっています。
堤高14メートルのため河川法上のダムとはなっていませんが、バットレスの堤体が2箇所で屈曲しており、『カド』のあるバットレスとなっています。
当調整池を含めた奥津発電所の関連施設13か所がその土木技術・文化的価値を評価され国の有形文化財に登録されているほか、堰堤はAランクの近代土木遺産に選定されています。
奥津温泉手前で国道179号線から左の旧道に入り郵便局を左折、次の十字路を右折してひたすら山道を登ってゆくと奥津発電所調整池に到着します。
ダム下の広場入口には門扉がありますが破損したままで、特に立ち入り禁止の看板等がなかったので中を見学させていただきました。
バットレス堤体
3メートル間隔で扶壁が並んでいます。
堤高14メートルのため河川法上のダム基準は満たさずダム便覧にも未掲載です。
奥津発電所最大の特徴はバットレスの『カド』
2箇所で堤体が屈曲しています。
こちらは南側の『カド』
バットレスの内側。
登録有形文化財のプレート。
上部水槽の建屋。
奥津発電所への水圧鉄管。
有効落差115メートルを利用して最大7400キロワットの発電を行っています。
調整池の天端。
上流面は45度の傾斜がついています。
帰宅後中国電力に確認したところ、本来は立ち入り禁止だがゲートが破損して開放状態になっているとのこと。
開けっ放し状態だったことから今回の立ち入りは事後承諾していただけました。
当調整池だけではなく登録有形文化財に指定されている奥津発電所の一連の施設全体を水の流れに沿って見学すべきなんでしょうが、遠方ゆえなかなか時間に余裕がないのが残念なところです。
岡山県苫田郡鏡野町奥津川西
吉井川水系吉井川
P
B
14メートル
---メートル
51.7千㎥/51.7千㎥
中国電力(株)
1933年
ありがとうございます。
こちらこそ、これからも宜しくお願いします。
他の記事もリンクで紹介させて頂くと思いますが宜しくお願いします。
拙いブログをお読みいただきありがとうございます。
リンクの件喜んで承諾させていただきます。
これを機に今後ともお付き合いのほどよろしくお願いしましたす。
追記
与布土ダム、ダムへの道が災害で通行府止めだったのですが、開通したのですね。機会があれば訪問したいと思います。
昨日初めて奥津発電所調整池に訪問したのですが情報通り工事の真っ最中でした。
もし宜しければ私のプログにコチラのページのリンクを貼らして頂いても良いでしょうか?
大変詳しく紹介されているので私が紹介するより良いかと思いまして(汗)
宜しくお願いします。
アメブロになります↓
https://ameblo.jp/md-club
改修の件存じませんでした。今の姿が変わる前にもう一度訪問してみようと思います。
鉄管の交換、本館建て替えで今の姿が変わってしまうのは悲しいことですね。
新しい発電所は2023年に運転開始予定みたいですね。