2019年10月20日 美唄ダム
美唄ダムは北海道美唄市東美唄町の石狩川水系美唄川上流部にある北海道建設部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、美唄川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権としての灌漑用水への補給、美唄市への上水道用水及び工業用巣の供給を目的として1982年(昭和57年)に北海道営としては初の多目的ダムとして竣工しました。
その後2000年(平成12年)~2004年(平成16年)にかけてクレストゲートを撤去するゲートレス化工事が実施されました。
美唄インターから道道135号線を進むと美唄ダムに到着します。
ダム下
堤高35.5メートルに対して堤頂長228メートルの横長ダムで、洪水吐はダム右岸側にあります。
2004年(平成16年)の改修工事でゲートが撤去され、余所では見られないユニークな形になっています。
常用洪水吐として自由越流式クレストゲートを2門装備、間にあるオリフィスゲートは改修により閉塞され現在は使用されていません。
一方にダム湖右岸に横越流式の非常用洪水吐を新設、越流した水は写真上部左側の口からフーチングを流下する珍しい構造です。
左岸ダムサイトに駐車場やトイレがあり自由にダムを見学できます。
堤頂長228メートルの横長ダムで、右岸寄りで上流側に屈曲しています。
上流面に『カド』があり右手には橙色の取水塔。
びばい湖と命名されたダム湖は総貯水容量150万立米で都道府県営の多目的ダムとしては小ぶり。
右岸から取水塔
対岸(左岸)に管理事務所が見えます。
ゲート直上から見た減勢工
前日の雨の影響でクレストゲートからかなり激しい放流となっています。
このダムはクレストゲートが常用洪水吐。
減勢工両岸には河川維持放流用放流設備と非常用放流管1条がそれぞれ設置されています。
2004年(平成16年)のゲートレス化工事で非常用洪水吐として増設されたのがこれ
重力式コンクリートダムでは非常に珍しい横越流式洪水吐。
横越流式洪水吐を越流した水はフーチングを流下する仕組み。
そのためこの堤趾導流壁も新たに設置されました。
右岸から見た下流面
横越流式洪水吐からの水は手前の口から放流されます。
改修によって重力式コンクリートダムとしては非常に珍しい横越流式洪水吐を備える美唄ダムです。
ゲートレスによって洪水吐の形状もユニークなものとなっており、見どころ満載の美唄ダムでした。
(追記)
美唄ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
0108 美唄ダム(1528)
北海道美唄市東美唄町
石狩川水系美唄川
FNWI
G
35.5メートル
228メートル
1500千㎥/1090千㎥
北海道建設部
1982年
◎治水協定が締結されたダム
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