2022年5月22日 金峰ダム
金峰(きんぽう)ダムは鹿児島県南さつま市金峰町大坂の二級河川万之瀬川水系長谷川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
南さつま市金峰町は薩摩半島中央部に位置し、大消費地である鹿児島に近い地理的要因を生かし農業経営の発展が期待されています。
しかし農地は南九州特有の透水性の高い火山灰土壌、いわゆるシラス台地で占められており水利に乏しく、生産性向上のため灌漑施設の整備が重要課題となっていました。
1987年(昭和62年)に農水省の補助を受けた県営かんがい排水事業金峰地区が着手され、その中核施設として2003年(平成15年)に竣工したのが金峰ダムです。
運用開始後は金峰町土地改良区が管理を受託し約800ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
ダム右岸高台を県道20号鹿児島加世田線が通り、道路わきの金峰ダム展望駐車場からダムを俯瞰できます。
2003年(平成15年)竣工と比較的新しいロックフィルダムで、ダム便覧などの写真を見てもリップラップなどは非常に美しい写真が掲載されているのですが…
早朝の訪問で太陽は逆光、しかも朝もやが掛かり撮影には難しい条件となりました。
また展望台からダムに直接下りることはできず、ダムサイトや天端に行くには下流から対岸に回り込まなければいけません。
ダム下に橋が架かり、ダムと正対できるのですがこちらはもろ逆光。
条件が良ければ堤高57.9メートルのロック堤体と真正面から対峙できるのですが。
写真ではわかりづらいですが、放流口にはバルブが2条備わっています。
左岸から上流面
対岸に斜樋があります。
奥に見える山はダムの由来となった金峰山。
天端は車両の進入はできませんが徒歩での立ち入りは自由です。
左岸の横越流式洪水吐。
ダム湖は総貯水容量257万立米
『金峰神麗湖』と命名され約800ヘクタールの農地の水がめとなっています。
右岸の斜樋
シャフトが8本の巨大な取水設備。
天端からダム下を見ろします。
右手の建屋は放流設備
2枚目の写真はカーブした道路橋から撮りました。
左岸に洒落たデザインの管理事務所が置かれ、その横手に繋留設備があります。
下流面
リップラップは犬走りを挟んで2段構成。
上流面。
高い位置からの展望台もあり見所の多いロックフィルダムですが、南西向きのダムのためこの時期の早朝はもろに逆光になってしまいました。
このダムを訪問する際は午後をお薦めします。
追記
金峰ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
2985 金峰ダム(1827)
鹿児島県南さつま市金峰町大坂
万之瀬川水系長谷川
A
R
57.9メートル
230メートル
2570千㎥/2290千㎥
金峰町土地改良区
2003年
◎治水協定が締結されたダム
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