ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

塩田調整池

2023-04-06 18:00:00 | 栃木県
2015年12月04日 塩田調整池
2023年 3月20日
 
塩田調整池は栃木県芳賀郡市貝町塩田にある灌漑目的のロックフィルダムです。
栃木県南東部に位置する芳賀台地は地味肥沃ながら水利に乏しく、生産性向上のため灌漑施設の整備が強く求められてきました。
1982年(昭和57年)に農水省による国営芳賀台地農業水利事業が着手され、栃木県が建設を進める東荒川ダムに特定灌漑容量を確保するとともに、灌漑施設の整備が進められその調整池として2000年(平成12年)に竣工したのが塩田調整池です。
農業水利事業全体も2004年(平成16年)に竣工し、6町にまたがる約2700ヘクタールの田畑向けの灌漑設備が整備されました。
管理は併せて建設された菅又調整池などとともに芳賀台地土地改良区が受託しています。
事業の竣工により首都圏から100キロ圏内と言う立地の良さを生かし効率的な近郊農業経営が可能となりました。

ダムに隣接して整備された芝ざくら公園は関東屈指の芝さくら公園として開花期には人気の観光スポットとなっているほか、ダム湖の『芳那の水晶湖』 も渡り鳥の休息地として知られ、冬場には多くの野鳥を見ることができます。
塩田調整池には2015年(平成17年)12月に初訪、2023年(令和5年)3月に再訪しました。
日時掲載写真以外はすべて再訪時のものです。

ダム下から
ロックフィル堤体ですが芝が張られ見た目はアースのようです。
凍上防止のため北海道などではロックフィルに芝が張られるケースが多々ありますが関東では珍しい。
向って左手(右岸)は洪水吐斜水路。
右手の建屋は浸透水観測所、左手は放流設備、青い鉄管は斜樋からの水路管。


ダム下には塩田揚水機場があります。
取水設備からの水がここで二つの幹線水路に揚水されます。


ダム上流から
『芳那の水晶湖』と名付けられたダム湖は総貯水容量は158万立米
集水はほぼすべて荒川からの導水によります。


ズームアップ
右手に斜樋、左手に越流式洪水吐があります。
湖畔には東屋が設けられるなど公園として整備されています。


右岸高台から
堤体は下流側から左岸に伸び堤頂長は460メートルに及びます。


森田頭首工からの流入口
訪問時は水田向け非灌漑期のため流入はなし。


右岸にある越流式洪水吐。(2015年12月4日)


洪水吐導流部
この先、1枚目写真の斜水路を流下します。


天端から
1枚目写真はちょうどこの下から撮りました。
手前建屋は浸透水観測所、青い鉄管は斜樋からの水路管、左手に半身で見えるのが揚水機場。


左岸から下流面
ロックフィルですが芝が張られ、草も伸びています。


天端は徒歩のみ開放
高台の建物は土地改良区地事務所
森田頭首工以下全ての施設をここで管制します。


右岸の斜樋
ここで取水された水が2枚目写真の揚水機場に送られます。

芳賀台地土地改良区ではパンフレットを作成して管理施設の紹介をしています。
詳しくはこちらをクリック。

3153 塩田調整池(0081) 
栃木県芳賀郡市貝町塩田 
那珂川水系荒川
29メートル
460メートル
1580㎥/1577㎥
芳賀台地土地改良区
2000年


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