ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

天理ダム

2021-09-24 00:24:50 | 奈良県
2015年12月30日 天理ダム
2021年 9月19日
 
天理ダムは奈良県天理市長滝町の大和川水系布留川にある奈良県県土マネジメント部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、布留川の洪水調節(最大毎秒160立米のカット)、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給、天理市への上水道用水の供給を目的として1978年(昭和53年)に竣工しました。
天理ダムは奈良県内では最初に完成した補助多目的ダムです。
2016年(平成28年)~18年(平成29年)にかけての改修でコンジットゲートが増設され、より柔軟な洪水調節が可能となりました。
 
天理ダムにはコンジットゲート増設前の2015年(平成27年)12月に訪問し、増設後の2021年(令和3年)9月に再訪しました。
ダム下から
こちらは再訪時の写真。
洪水吐左岸側(向かって右手)に常用洪水吐としてコンジットゲートが増設されています。
 
こちらは2015年12月訪問時の写真
天理ダムは非常用洪水吐としてクレストローラーゲート2門および常用洪水吐としてコンジットバルブ1条を備えていました。
しかしコンジットバルブの放流量が小さいため柔軟な洪水調節が困難でした。
 
こちらはコンジットバルブ
手前からの放流は河川維持放流。
 
増設されたコンジットゲート
堤体に穴をあけ、新たに放流管が設置されました。
手前建屋内に引っ張りラジアルゲートが格納されています。
 
左岸から下流面。
 
天端は国道25号線が走っています。
一級国道ですが、大半の車両は並行する名阪国道を使うため通行量はさほどでもありません。
 
天端から減勢工を見下ろします。
左手がコンジットゲート。
ダム下には天理ダム名物の国道25号線ヘアピンカーブ。
 
こちらは河川維持放流。
 
右岸ダムサイトに管理事務所があり艇庫とインクラインが隣接しています。
 
らせん階段のついたゲートピア。
 
上流から
『青垣湖』と命名されたダム湖は総貯水容量250万立米と県ダムとしてはかなり小ぶり。
 
ゲートをズームアップ
多段式取水ゲートの左手にクレストローラーゲート。
ちょっと見えづらいですが、ローラーゲートの左手に増設されたコンジットゲート取水口があります。
 
追記
天理ダムにはには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

1569 天理ダム(0159) 
奈良県天理市長滝町
大和川水系布留川
FNW
60.5メートル
210メートル
2500㎥/2250㎥
奈良県土マネジメント部
1978年
◎治水協定が締結されたダム


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