ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

竹谷池

2024-01-12 12:40:29 | 三重県
2018年 2月11日 竹谷池
2023年11月26日
 
竹谷池は三重県伊賀市柘植町の淀川水系柘植川右支流西竹谷川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
伊賀市のある伊賀盆地は豊かな地味と寒暖差の大きな気候を生かし江戸時代より良質米の産地となっていました。
一方で年間降水量は1200ミリ超の少雨地帯であり加えて大河がないため水源をため池に求め、現在も市内に約1400基のため池を有す県内屈指のため池密集地帯となっています。
竹谷池もそんなため池の一つで、ダム便覧には1960年(昭和35年)に柘植町土地改良区の事業で竣工と記されており、農林省(現農水省)や県の補助を受けた団体営事業で建設されたと思われます。
現在は土地改良区の統合により、伊賀町土地改良区が管理を行っています。
竹谷池には2018年(平成30年)2月に初訪、2023年(令和5年)11月に再訪しました。
掲載する写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。
 
名阪国道伊賀インターから国道のガードをくぐって南に進むとすぐに竹谷池の堤体が見えてきます。
下流面はきれいに刈り込まれ今も貴重な水源であることがうかがえます。 
(2023年11月26日)

 
ダム下で洪水吐からの導流路と取水設備からの水路が合流します。
(2018年2月11日)

 
底樋樋門と分水ゲート。
(2018年2月11日)

堤体直下から
堤高は23.8メートル(ため池データベース)で基部は花崗岩の谷積みの擁壁。
(2023年11月26日)

 
左岸ダムサイトに上がります。
池の入り口には関係者以外立ち入り禁止という警告板がありますが、事前に土地改良区の許可を得ています。
天端は草付きのダートで車で対岸まで行けますがそこでドン詰まり。
(2018年2月11日)

 
左岸の斜樋。
一段低いところにありちょっと秘密基地っぽい。
(2023年11月26日)

 
天端から下流を望む
受益農地は正面の杉林のさらに先約700メートルに広がり、当池のほか併せて4基のため池を水源としています。
(2023年11月26日)

 
総貯水容量21万5000立米の貯水池。
朝霧が立ち込めるちょっと幻想的な眺め。
(2023年11月26日)

 
きれいに刈り込まれた下流面。
(2023年11月26日)

 
上流面
草が生えていますがコンクリートブロックで護岸。
ダム便覧208メートル、ため池データベース108メートルと堤頂長の数値が大きく異なります。
実は対岸岬の向こうに洪水吐があり便覧はそこまでを堤体とみなしているのに対し、ため池データベースは岬の付け根までを堤体としているようです。
どちらが正しいのか?私にはわかりません。
(2018年2月11日)

 
件の洪水吐
一つ上の写真の岬の裏側にあたります。
(2023年11月26日)

 
洪水吐導流部
この下が上から2枚目の写真の洪水吐導流路に続きます。
(2023年11月26日)

 
きれいに整備され好感のもてる溜池ですが、かつて鈴鹿市女子中学生バラバラ死体事件の死体遺棄現場となった不幸な歴史があります。

1307 竹谷池(1244)
ため池コード 242160510
三重県伊賀市柘植町
淀川水系西竹谷川
22メートル(ため池データベース 23.8メートル)
208メートル(ため池データベース 108メートル)
215千㎥/215千㎥
伊賀町土地改良区
1960年


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