ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大瀬内ダム

2021-10-22 22:01:17 | 宮崎県
2021年10月16日 大瀬内ダム
 
大瀬内ダムは宮崎県児湯郡木城町石河内の小丸川水系大瀬内谷川源流部にある九州電力(株)が管理するアスファルトフェイシングフィルダムです。
オイルショックに加え家電の普及に伴う電力消費の昼夜間格差の拡大を受け、電力各社は火力や原子力との連携が図れ余剰電力を有効利用できる揚水発電に着目します。。
九州電力も1980年代より積極的に純揚水発電所建設を進め、同電力3番目の純揚水発電所として2007年(平成19年)に小丸川発電所が完成しました。
大瀬内ダムは副ダムのかなすみダムとともに同発電所の上部調整池として同年竣工し、下部調整池である石河内ダムとの有効落差646.2メートルを利用して最大120万キロワットの揚水式発電を行っています。 
大瀬内ダムは大瀬内谷川源流部、標高800メートル地点にあり透水性の高い地質から上流面のみならず貯水池全般に渡ってアスファルトフェイシングによる遮水処理が施されています。
また西側鞍部に副ダムであるかなすみダムがあります。
 
小丸川発電所概要図(九州電力HPより)
 
九州電力のPR施設であるピノッQ館から大瀬内谷川に沿った山道を西北西に約8キロ走ると大瀬内ダム展望台に到着します。
この先、ダムへ通じるトンネル入り口から先は立ち入り禁止のためここから遠望するのみ。
ここから見る限りは普通のロックフィルダムですが、背後には全面アスファルトフェイシングフィルの貯水池が隠れています。
 
完成から約15年たちますがリップラップには草木一本見えません。
 
左岸に洪水吐と管理棟があり斜水路が一直線に伸びています。
 
展望台の案内板。
発電施設ということでガードが堅いのは止むをえませんが、トンネルの先、せめてダムサイトまで見せていただければなあ…。
 
(追記)
大瀬内ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。 

3300 大瀬内ダム(1705)
宮崎県児湯郡木城町石河内
小丸川水系大瀬内谷川
FA
65.5メートル
166メートル
6200千㎥/5600千㎥
九州電力(株)
2007年
◎治水協定を締結したダム


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