ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

川原ダム

2021-10-22 20:53:57 | 宮崎県
2021年10月16日 川原ダム
 
川原(かわばる)ダムは宮崎県児湯郡木城町石河内の一級河川小丸川本流中流部にある九州電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
宮崎県は主要河川がいずれも包蔵水力豊富なため、戦前から各河川で活発な電源開発が進められてきました。
小丸川水系では1938年(昭和13年)に県による小丸川河水統制事業が着手され宮崎県電気部(現宮崎県企業局)による電源開発が進められました。
川原ダムおよび川原発電所は同事業初の発電施設として1940年(昭和15年)に完成、当初はダムのある地名から浜口ダムと呼ばれていました。
しかし翌1941年(昭和16年)にダムおよび発電所は日本発送電に接収され、1951年(昭和26年)の電気事業再編成により九州電力が事業継承しました。
ここで取水された水は約5.7キロの導水路で川原発電所に送られ最大2万1600キロワットのダム水路式発電が行われています。
また2011年(平成23年)には河川維持放流を利用した川原ダム維持放流発電所(最大出力150キロワットの小水力発電)が稼働しました。
 
小丸川沿いの県道26号線から川原ダムが遠望できます。
堤高23.6メートル、堤頂長150メートルの全頂長自由越流頂型式のダムです。

 
ズームアップ。

 
左岸から河川維持放流が行われています。
2011年(平成23年)に維持放流を利用した小水力発電所が増設されました。

 
左右両岸の作りは、まだ導流壁のない昭和10年代のダムの特徴を見せています。
減勢部も戦前らしいコンクリートの叩き。

 
こちらは2011年(平成23年)に完成した川原維持放流発電所の水利使用標識。

 
こちらは川原発電所の水利使用標識。

 
川原発電所向け取水口は2か所ありこちらは下流側の第二取水口
手前が沈砂池、奥にスクリーンがあります。


こちらは上流側にある第一取水口
奥が除塵機とスクリーン、手前は取水ゲートになります。

アングルを変えて。

 
貯水池は総貯水容量322万立米、堆砂が進み有効貯水容量は120万立米。

 
左岸の2か所の取水口をズームアップ
手前が第一取水口、奥が第二取水口になります。

 
(追記)
川原ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

2809 川原ダム(1704)
宮崎県児湯郡木城町石河内
小丸川水系小丸川
23.6メートル
150メートル
3220千㎥/1200千㎥
九州電力(株)
1939年
◎治水協定が締結されたダム


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