2017年4月9日 小阪部川ダム
小阪部川ダムは岡山県新見市の高梁川水系小坂部川にある多目的重力式コンクリートダムです。
国土地理院地形図では『小坂部川』となっていますが、ダム及び発電所の名称では『小阪部川』となっています。
1939年(昭和14年)に発生した高梁川流域の大干ばつを受けて岡山県により1942年(昭和17年)に着工されるも戦況悪化で中断、戦後1948年(昭和23年)に農林省(現農水省)に事業移管され農林省初のコンクリートダム事業として建設が再開され1955年(昭和30年)に完成しました。
なお竣工ベースでは1951年(昭和26年)に竣工した兵庫県の鴨川ダムが農林省最初のコンクリートダムとなっています。
現在は高梁川用水土地改良区が委託管理を行っています。
小阪部川ダムは高梁川用水土地改良区管内への灌漑用水の供給、流域への上水道用水の供給を目的とするほか中国電力小阪部発電所で最大5400キロワットの発電を行っています。
小阪部川ダムを水源とする灌漑用水路系統図(高梁川用水土地改良区ホームページより)。
国道180号線川合橋西交差点から県道442号線に入り小坂部川沿いの隘路を進むと右手に小阪部川ダムが見えてきます。
クレストは3門のラジアルゲート、左岸に発電所があります
右岸から
くっきりとした打継面など時代感溢れるコンクリート。
左岸側堤体直下に中国電力小阪部発電所。
減勢工と発電所
発電所下のコンクリートの錆もいい按配。
右岸堤体に張り付くようにある管理事務所
耐震性に問題があるため改修予定とか?
天端は歩行者のみ通行可。
古いダムでよくみられる半円形の取水設備。
左岸親柱の照明
竣工当時としてはかなり斬新なデザインだったはず。
ダムへ向かう県道に掛かるアーチ橋も見逃せません。
ダム建設に合わせて作られたようでもしかしたら戦時中のものかも?
オールドダムファンには鼻血ものの小阪部川ダムでした。
(追記)
小阪部川ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
1870 小阪部川ダム(0928)
岡山県新見市唐松
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系小坂部川
AWP
G
67.2メートル
145メートル
千㎥/千㎥
高梁川用水土地改良区
1954年
◎治水協定が締結されたダム
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます