ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

河本ダム

2017-04-17 11:21:56 | 岡山県
2017年4月9日 河本ダム
 
河本ダムは岡山県新見市金谷の一級河川高梁川水系西川にある岡山県土木部が管理する多目的中空重力式コンクリートダムです。
高梁川河口部水島地区は高度成長期に水島臨海工業地帯として発展する一方、増加する工業用水源確保が大きな課題となってきました。
一方、高梁川中上流部では河川改修が遅れ抜本的な治水対策が求められていました。
そこで岡山県は高梁川上流部への多目的ダム建設を軸とした『高梁川総合開発事業』に着手し、1964年(昭和39年)に竣工したのが河本ダムです。
河本ダムは中国地方では唯一、日本で13基しかない中空重力式コンクリートダムとして建設されました。
河本ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、高梁川の洪水調節(最大375立米/秒の洪水カット)、水島工業地帯への工業用水の供給、岡山県企業局新見発電所でのダム水路式発電(最大1万900キロワット)を目的としています。

県道33号線の正田トンネル北側の正田橋から旧道に入ると右手に岡山県企業局新見発電所が見えてきます。
ちょうど桜が見ごろになっています。
 
下流から
クレストはラジアルゲートが2門、低水放流設備として左岸にハウエルバンガーバブルがあります。
 
ダム下流右岸は公園として整備され桜が満開です。
 
ハウエルバンガーバルブ。
 
堤体下流面
堤頂部からすぐにスロープが始まる下流面と、洪水吐導流部中段の膨らみがいかにも中空ダムといった風。
 
上流面と管理事務所。
 
上流面からゲート
水位が高いため中空ダム特有のタコ足スリットは見ることができません。
 
天端は車両通行可能。
 
減勢工と右岸の桜。
 
左岸から下流面。
 
河本ダムの管理事務所では河本ダムのほか、小阪部川ダム、三室川ダムのダムカードが配布されています。


(追記)
河本ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
  
1873 河本ダム(0927)
岡山県新見市金谷
高梁川水系西川
FIP
HG
60メートル
258.6メートル
17350千㎥/11100千㎥
岡山県土木部
1964年
◎治水協定が締結されたダム



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