ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

三五郎池

2022-03-30 22:48:21 | 香川県
2022年3月27日 三五郎池
 
三五郎池は香川県小豆郡小豆島町安田の安田大川にある灌漑・上水道用水目的のアースフィルダムです。
現地記念碑によれば1924年(大正13年)に受益者で組織された耕地整理組合の事業により建設され、1942年(昭和17年)の嵩上げ工事により灌漑に加え上水容量が付加されました。
管理は内海町三五郎池土地改良区が行い、約12ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するとともに安田地区の上水道水源となっています。
1980年(昭和55年)に池直下に香川県営の粟地ダムが完成し、周辺の環境整備が行われました。

粟地ダム天端より
三五郎池堤頂部が見えます。


基部は石積みの擁壁で堤体は緩やかに畝っています。
きれいに草が刈られ、今も貴重な水源であることが伺えます。


道路下の底樋管。


右岸の越流式洪水吐。


右岸に建つ立派な記念碑。


改修によって撤去された古い石樋が残されています。


上流面には取水設備が三基あります。
右岸にあるのは山向こうの本庄地区向けの灌漑用水取水設備。


これがメインの安田縄手地区向け灌漑用水取水設備
訪問直前の工事で新しい斜樋に置き換えられました。
手前の階段は古い斜樋の遺構。


こちらは上水用取水設備。


堤頂長150メートル
上流面は花崗岩で護岸されています。


天端からの眺め
粟地ダム越しに瀬戸内海、さらには四国の阿讃山脈まで遠望できます。


総貯水容量は8万5000立米
池の背後には景勝地の寒霞渓が聳えます。


年間降水量わずか1200ミリの瀬戸内海の離島、きれいに整備された堤体から現在も貴重な水源として重用されているのがわかります。
 
3581 三五郎池 (1775)
ため池コード 373240038
香川県小豆郡小豆島町安田
安田大川水系安田大川
AW
18メートル
150メートル
85千㎥(ため池データベース93千㎥)/85千㎥ 
内海町安田三五郎池土地改良区
1924年


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